TOPICS

業界情報

2027年介護保険改正のポイントはケアマネジャーの処遇確保に?!厚生労働省が検討会を設置。

2027年介護保険改正のポイントはケアマネジャーの処遇確保に?!厚生労働省が検討会を設置。

2025年2月20日、厚生労働省では社会保障審議会、介護保険部会を開催し、次回2027年の介護保険改正に向けた議題を上げました。

現在、ケアマネジャー(介護支援専門員)不足の顕在化が深刻であると言われており、今後更なる問題の悪化に向けてた課題に対して、一定の方向性を示しています。

今後の流れの中で、体制や制度、処遇がどうなっていくのかご不安であったり、知りたい方は多いのではないでしょうか。


今回は、現在のケアマネジャー不足の原因を確認しつつ、今後の対策がどのようなものになるのか、検討会の内容を元に案内いたします。

業界の大きな動きを是非確認しておきましょう。




【 目 次 】

  1. ケアマネジャーは今後どのくらい不足するのか
  2. ケアマネジャー不足をめぐる問題点とは
  3. 年齢の高齢化
  4. 業務量の多さ
  5. 資格取得難易度の高さ
  6. 2027年介護保険改正でケアマネの処遇を改善?




ケアマネジャーは今後どのくらい不足するのか


厚生労働省が2023年に実施したシミュレーションによると、ケアマネジャー(介護支援専門員)の人員は、2025年までに2万7千人、2040年までに8万3千人が不足すると言われています。

実はケアマネジャーの人数は減少傾向が続いており、現在の傾向が続いた場合、介護のサービスを受けたいのに受けられないという方が出てきてしまう恐れがあり、非常に大きな問題として取り扱われてきました。


それも、ケアマネジャーの資格を持っている方は累計で739,215人とされていますが、実際に居宅介護支援事業所で働いている方は188,170人となっています。(2023年時点)

実際に働いている方が、取得した方全体の4分の1強となっており、稼働率が低い事も注目されています。


ではこうした問題の原因はどういったところにあるのでしょうか。

具体的に見ていきたいと思います。


▼より詳細にケアマネジャー不足について見たい方はこちら




ケアマネジャー不足をめぐる問題点とは


ケアマネジャー不足の問題は多岐にわたります。

主な理由としては下記3点をご紹介します。

  • ケアマネジャーの年齢が高齢化していること
  • 仕事の業務量がそもそも非常に多いこと
  • 資格の取得難易度が非常に高いこと


その他にもスキルアップの難易度の高さやルールの煩雑さ等も指摘されていますが、今回は上記3点をメインにご紹介します。


年齢の高齢化

現在のケアマネジャーの平均年齢は53.6歳となっており、全体の構成比率におけるなんと30%が60歳以上を超えているという調査結果があります。

また40代未満の構成比率は7.6%と若手の人材が非常に少ないことが特徴となっています。

(2024年7月介護労働実態調査)


今後年齢や定年に伴う退職が増える事が予想され、現状の人員低下傾向を更に加速させるのではないかと懸念が強まっています。

▼ケアマネジャーの高齢化について、より具体的に確認する



業務量の多さ

ケアマネジャーは業務量が多い事でも知られています。

通常のケアプラン作成や利用者様と事業所の調整役、介護予防のケアマネジメント等が主な仕事とされていますが、付随する業務としてシャドーワークが多い事も言われています。

利用者様の身の回りのお世話や、書類の作成補助、病院や救急車への同席、加算を算定しない通院の同行等など、多くの業務があります。


原因はお一人暮らしの世帯が増えた事や周辺の環境により、本来ケアマネジャーがしない業務でも、一番適任になるケースがあり、いたしかたなく行うという場合が多いようです。

そうした業務量も負担の一旦となっており、きちんとした業務の線引きや全体の見直しが議論されています。

▼ケアマネジャーのシャドーワークについて、より具体的に確認する



資格取得難易度の高さ

ケアマネジャーの試験は難易度が高く受験した方で合格率の平均はおおよそ20%前後となっていました。

(2024年は31.9%と上昇している。)

5人に1人しか合格しないという難しい試験がありますが、受験する人数は横ばいとなっている事に加え、試験を受けるためにも高い取得条件のハードルがあります。


更には取得した資格を更新するために必要な手続きも手間がかかり、更新しないという人も出ているという現状です。

そうした状況に対して厚生労働省は、受験要件の緩和や更新研修のオンデマンド化を検討していますが、一方で要件の緩和は質の低下につながるリスクもあります。

▼ケアマネジャーの受験要件緩和について、より具体的に確認する



こうした問題に対応するため、議論はこれまでも重ねてきましたが、厚生労働省の審議会では次回2027年での処遇の改善についても言及をしました。




2027年介護保険改正でケアマネの処遇を改善?


2025年2月20日、厚生労働省が開催した社会保障審議会、介護保険部会の審議会で、今後のケアマネジャーの処遇の確保や業務範囲の整理、ICTの活用や法典研修を見直す事を今後の論点とすることとしました。

現状では深刻な人手不足が見込まれる状況を鑑み、10年以内で更に減少する可能性を示唆した上で、対応策に出たかたちです。


現状では居宅介護支援のケアマネジャーには処遇改善加算がなく、介護福祉士など現場で介護業務を行う職種よりも賃金の平均は低くなっています。

もちろん夜勤を行っている介護職がその分で、給与に差がついているとも言えますが、処遇に関しては厳しいと感じるケアマネジャーの方はおりました。


今後、よりケアマネジャーとして働きたいという方が増え、尚且つ質も担保できる施策が待たれます。

今回の施策に関しては2025年度中にまとめる方針で、具体的な施策が固まっていく見通しです。


▼ケアマネで働きたい、転職をしたいとお考えの方はこちら

「介護ぷらす+」を運営している株式会社フェスコムは

医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」において

厚生労働省より医療・介護分野の認定事業者として認定されています。