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ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件緩和に向け、政府が2027年改正を具体的に検討【2024年12月】

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件緩和に向け、政府が2027年改正を具体的に検討【2024年12月】

現在、政府ではケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件が現状に即していないという議論が進められています。

介護業界で働いている方もそうした状況について聞いた事はあっても、現在の状況についてまで追えていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそうした疑問にお答えできるよう、2024年12月現在の状況をお伝えしてきます。


これまでの状況も踏まえた上で、現在どのような議論をされているのか、また今後の展望を確認しましょう。




【 目 次 】

  1. ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件が問題になる背景
  2. ケアマネジャー(介護支援専門員)確保に向けたこれまでの動き
  3. ケアマネジャー(介護支援専門員)更新研修を受けやすくする動き
  4. ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件を緩和する動き
  5. 受験要件緩和に向けた政府の検討状況
  6. まとめ:今後の展望




ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件が問題になる背景


ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件は、「介護福祉士等の国家資格を持つ方が従事日数として900日以上、また事務経験が5年以上」とされています。

2020年10月1日現在でのケアマネジャー(介護支援専門員)の人数は188,170人とされており、実際に働かれている方はその中でも153,597人と集計されています。

※厚生労働省「介護支援専門員の従事者数」より


更に毎年の試験で1万人のケアマネジャーが誕生していますが、問題点も多く存在しています。

  • ケアマネジャー資格は取得条件のハードルが高い
  • 資格取得するための試験自体も合格率が20%前後と難しい
  • ケアマネジャー試験を受験する人数も横ばい
  • 資格更新することに手間がかかってしまう
  • 上位資格の主任ケアマネジャーの取得はさらに難しい
  • ケアマネジャー全体が高齢化してきている


等など、上記以外にも理由は存在しており、人数が増えない状況が続いています。

また、このような状況の中で今後2040年になると、8万人ものケアマネジャーが必要と推測されています。


ではこれまではどのような動きをしていたのでしょうか。


▼ケアマネジャーの現状について詳細はこちらをご確認ください。


▼ケアマネジャーの高齢化についての問題はこちらをご確認ください。



ケアマネジャー(介護支援専門員)確保に向けたこれまでの動き


これまでも政府では、ケアマネジャー(介護支援専門員)の確保に向け様々な動きをしてきました。

大きく分けると、動きの中でも2つに分けられています。


【 政府の動き 】

  • ケアマネジャー(介護支援専門員)更新研修を受けやすくする動き
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件を緩和する動き


◆ケアマネジャー(介護支援専門員)更新研修を受けやすくする動き

確保に向けた動きの中で、更新研修のオンデマンド化が挙げられます。

【 メリット 】

  • 働きながらでも講習を受けられる
  • 全国で内容を統一することでコストカットできる


このように、自分の都合で研修を受ける事ができ、負担を軽減しようと検討を重ねています。

▼詳しい状況に関してはこちらをご確認ください。



◆ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験要件を緩和する動き

また、今回のテーマである受験要件を緩和する動きもこれまで進んできていました。

2024年の6月24日には厚生労働省の検討会で、ケアマネジャーの資格試験(実務研修受講試験)の見直しを検討し、実務経験5年が必要という受験要件についても疑問が呈されています。


試験の窓口を広げる方策を今後も検討するよう方針が示されています。

▼詳しい状況に関してはこちらをご確認ください。




受験要件緩和に向けた政府の検討状況


2024年12月2日の有識者会議で政府は、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格取得試験の受験要件を緩和する方針を定めました。

当面の対策について方向性を示す「中間整理」では、2027年度の制度改正に向け、具体的に検討する考えを示しています。


内容としては以下の2点を緩和していく方針です。

  • 相談援助技術が重要な資格を中心に、受験要件の対象資格を緩和
  • 一定の要件を満たす場合の実務経験年数を緩和


今後は社会保障審議会や介護保険部会で詳細を検討していく方針ですが、実際にどんな資格を加えるか、実務経験をどこまで短縮するかは今後の検討で詰めていくようです。




まとめ:今後の展望


ここまでケアマネジャー(介護支援専門員)の現状と問題点、政府の検討状況を見てきました。

現在多くの問題点が指摘され、今後のケアマネジャー(介護支援専門員)不足に備え、政府は要件の緩和に前向きな姿勢を取っています。


しかし、まだまだ詳細については今後の検討によって詰めていく状況ですので、今後の状況に注視が必要です。

今後、ケアマネジャー(介護支援専門員)がより多く、活躍できる社会になる事を期待したいですね。



▼ケアマネジャーで転職をお考えの方はこちらをご確認ください。