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ケアマネは2040年までに8万人以上の増加が必要と国が推計!

ケアマネは2040年までに8万人以上の増加が必要と国が推計!

ケアマネジャー不足が続く介護業界。ますます進行する高齢化社会とその増大する需要が、このケアマネジャー不足問題の背景となっています。

日本は現在、65歳以上の高齢者が全人口の約3割を占める超高齢化社会に突入していることは周知の事実だと思います。

ケアマネジャー不足の原因や今後の見通しまで今回の記事では考えてみたいと思います。




目次

ケアマネは人材不足?ケアマネの現在の数は

ケアマネが不足する理由とは

2040年までに8万人の増加が必要と推計




ケアマネは人材不足?ケアマネの現在の数は


ケアマネジャー資格を有する人数は累計で739,215人ですが、そして居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーの数は117,025人です。

その差はなんと資格保有者の15%程度しか働いていないことがわかります。

それはケアマネジャー資格を持ちながらも、ケアマネジャーとしての仕事をされない、通称「潜在ケアマネ」がいるためとされています。


現状、居宅介護支援事業所のケアマネジャー数はここ数年減少傾向になっており、介護サービスを受ける方の増加に対してケアマネジャーの不足が深刻な問題となっています。

さらに地域によって、ケアマネジャーの人材不足がより深刻な状況にある地域も報告されています。


では、新たにケアマネジャーになる方の人数はどうでしょうか。

毎年、介護支援専門員実務研修受講試験が行われておりますが、合格率は20%前後、受講者も伸び悩んでいる状況です。


毎年約1万人程度がケアマネジャーの資格を取得しますが、実際にケアマネジャーとして活動する人数は限られているのが現状です。

多くの資格保持者は介護職員としてケアマネジャーの資格を活かせずに勤務しているという別な問題も指摘されています。




ケアマネが不足する理由とは


ではなぜケアマネジャーがこんなにも不足するのでしょうか?

ケアマネジャーが不足している理由は次の3つ背景があると考えられています。


①ケアマネジャーの資格取得が比較的難しいこと

まずケアマネジャーの受験資格が厳しく、指定された国家資格を保有する人が「実務経験5年以上かつ、従事期間が900日」必要となることが挙げられます。

またケアマネージャーの試験は、実務研修を受講するための試験であり、試験が合格すれば取得できるものではありません。

受験合格後に、都道府県が指定する施設で87時間の実務研修が受けることが取得の条件となることも、取得者が増えない理由とされています。


②ケアマネージャーの資格更新に手間がかかること

ケアマネージャーの資格を取得しても、5年ごとの更新が必要で、更新時は、東京都の場合就業6か月後に56時間の研修と就業後3年以上かつ、32時間の研修を受ける必要があります。

そのためこれを手間だと考える人は、更新をしないという問題も指摘されています。


③主任ケアマネージャーになるまでのスキルアップに時間がかかること

上位資格である主任ケアマネージャーになるために、通算5年以上のケアマネジャーとしての実務経験がある人が基本的には対象となるため、介護福祉士取得から最短で10年かかってしまうこともあります。

※主任ケアマネージャーに準ずるものとして、都道府県が認める人も受講資格が得られます。


上記のように、事業所に配置が必要になるものの、取得への難易度や更新の手間、スキルアップへのハードルが高いことが取得者の増加を妨げている状況です。




2040年までに8万人の増加が必要と推計


それでは、具体的に高齢化で介護ニーズが更に拡大していく今後、全国でどれくらいのケアマネジャーが必要となるのでしょうか。

厚生労働省が昨年度に実施したシミュレーションの結果によると、前提としてケアマネジャー1人あたりの担当件数などが今と変わらないことを前提に2022年度と比べた場合、2025年度までに約2万7千人、2040年度までに約8万3千人の増加が必要と考えられています。


ケアマネジャーの人数は、これまで述べていた通り、減少傾向が続いています。

これから人材確保や生産性の向上などが実現しない場合は、高齢者が必要なサービスを受けられない問題が深刻化することが懸念されます。


現在、厚生労働省ではケアマネジャー不足に対処するための審議を行っており、この問題の深刻さを認識している状況です。

ケアマネジャーの処遇改善や労働環境の改善など、将来的にはさまざまな取り組みが行われる可能性があるため今後も注目していきましょう。