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政府が検討!?ケアマネジャー試験の受験要件拡大で5年から3年に変更の可能性も?

政府が検討!?ケアマネジャー試験の受験要件拡大で5年から3年に変更の可能性も?

ケアマネジャー試験は、介護系の他資格と比較すると難易度は高いことはご存じでしょうか?

具体的には合格率も10~20%前後であるだけでなく、受験資格も難易度が高い事が特徴として挙げられます。


試験を受験するための要件が「規定の国家資格に基づく業務経験5年」または「相談援助業務経験5年」のいずれかを満たす必要があり、ケアマネジャーになるための受験すらハードルが高いことが伺えます。

そこで近年、政府が受験要件を拡大させる動きがあるようです。

今回はその内容についてみていきましょう。




目次

現在のケアマネジャーの受験要件とは

今までのケアマネジャー受験要件の議論

政府の今後に対する方針




現在のケアマネジャーの受験要件とは


そもそも、現在のケアマネの受験要件とはどういったものでしょうか。

具体的には以下の受験資格を満たしている必要があります。


■次の1または2の業務に通算5年以上かつ900日以上従事すること

1.以下の国家資格等に基づく業務

医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師/理学療法士/作業療法士/社会福祉士/介護福祉士/視能訓練士/義肢装具士/歯科衛生士/言語聴覚士/あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師/柔道整復師/栄養士/管理栄養士/精神保健福祉士


2.以下の職種で該当する施設等でおこなう相談援助業務

・生活相談員…特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、​一部のサービス付き高齢者向け住宅​)/地域密着型特定施設入居者生活介護/地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)/介護予防特定施設入居者生活介護

・支援相談員…介護老人保健施設

・相談支援専門員…計画相談支援/障害児相談支援

・主任相談支援員…生活困窮者自立相談支援事業


上記のとおり、ケアマネの受験資格は必要な日数が設定されており、ハードルが高いことが議論となっていました。

それでは、どのような議論が行われて来たか見ていきましょう。




今までのケアマネジャー受験要件の議論


受験要件が5年という長い経験年数について、2024年5月厚労省検討会にて議論が行われました。

その中では「人材の質を確保しつつ受験者数を増やす方向で検討すべき」という内容を主軸に、以下のような意見が取り上げられています。


「個人属性によるところも大きいため、3年程度の実務経験のみで良いのではないか」

「コーディネートやネットワーキング、コミュニケーションなどのスキルが重要なため、特定職種の実務経験だけでは、必ずしも幅広い視点を持つことにつながらない面もある」

「受験要件はもう少し柔軟に考えても良いのではないか」

「間口を広げるために少し見直し、実務研修でしっかりと質を担保するほうがいい」


ケアマネジャーの地位向上のためにも対象拡大には慎重な議論が必要という前提のうえで、試験の見直しを求める声が多く上がりました。




政府の今後に対する方針


上記のような声を受けて、2024年6月24日、厚労省は検討会を開き、ケアマネジャーの資格試験(実務研修受講試験)の見直しを検討していく方針を示しました。

その検討会の中で出た声として、


「試験の間口を広げる具体策を講じてはどうか」

「受験要件は実質拡大の方向で良いのではないか」

「受験要件を緩和し、その分を実務研修で補足するという方法も検討する」

「実務経験は5年の本当に誰もが必要なのか。3年で足りる人もいるのではないか」


これまでケアマネジャーの受験要件について議論を重ねてきましたが、今後も見直しを検討していく中で保有資格や実務経験の要件の拡大が今後の論点となりそうです。