まだまだ新しい資格ながら近年注目が集まっている「介護ケアセラピー」。
スキルアップを目指したい介護士の方や高齢者ケアについてもっと知りたいセラピストの方、さらには自宅介護に備えたい方まで、幅広い層の方々にオススメの資格についてご紹介していきます。
目次
- 人気急上昇中!最新の介護ケアセラピーってどんな資格?
- 絆が深まるコミュニケーションツール!介護ケアセラピーの特色
- 介護ケアセラピー資格の取得方法は?
- 介護ケアセラピーの活躍の場は?
- ケア技術に関する資格は将来性抜群
突然ですが、“2025年問題”とも言われる超高齢化社会への突入を控える今の日本で、これからの介護に何が求められているかご存じですか?
それは高齢者自身の健康と自立をキープし、要介護状態に陥るのを防ぐ「先回りの介護」です。
そんな介護予防の一環として、現在注目を集めているのが「介護ケアセラピー」。
国の「地域包括ケアシステム」構想に伴い、さまざまな形での高齢者ケアが各地で求められる今、大活躍間違いなしの資格について詳しく解説していきます。
人気急上昇中!最新の介護ケアセラピーってどんな資格?
介護ケアセラピー®(注1)とは、高齢者の自立支援に特化した身体ケアの基礎を身につけられる資格です。
別名を介護整体技能士とも言い、介護施設やヘルスケア事業などのサービスを利用する方々へのケア提供を目的としています。
平成25年に設立された一般社団法人 全国健康ケア協会によって生み出された新しい資格ながら、わずか4年で実施団体182施設・訓練参加者1535名(注2) という規模にまで拡大しており、現在介護施設や自治体など、さまざまな分野から注目が集まっている資格です。
(注1)介護ケアセラピー®は全国健康ケア協会の商標登録です
(注2)平成29年6月3日時点、協会調べ
絆が深まるコミュニケーションツール!介護ケアセラピーの特色
触れ合い中心!利用者とのコミュニケーション重視
介護ケアセラピーで何より重要視されるのは、施術者と利用者のコミュニケーション。
ケアを行うにあたっての身体接触はもちろん、日常会話の中での何気ない触れ合いや声掛けなどもしっかり重視するのが特徴です。
高齢者に安心感を与えて良好な関係を築けるだけでなく、施術者もコミュニケーションを通して癒されるのは、介護ケアセラピーならではのメリットですね。
時間をかけて我慢させない・痛くない処置を!
一般的な手技療法などの身体ケアについてイメージするとき、「痛い」「強い」といったような印象を抱いてしまうことってありますよね。
それに対して、介護ケアセラピーの基本は「柔らかでしなやかな手技」。痛みや我慢などのストレスを伴わない、ほぐしたり揺らしたりするケアを実施するのが特色です。
介護ケアセラピーは、時間を十分にかけたきめ細かい処置を行い、筋肉をほぐして緩めちょうど良い圧により疲労を改善していくケア手法となっています。
いつでもどこでも、すぐに実践できる!
身体接触による処置をメインとする介護ケアセラピーは、特別な機器などを必要としない点も特色です。
どのような条件の場所であってもすぐに実施できるため、あらゆる形態の介護サービスに取り入れることが可能です。
介護ケアセラピー資格の取得方法は?
介護ケアセラピーの資格は、全国健康ケア協会の訓練センターや、協会の指定訓練機関であるジャパン整体アカデミーの各校舎や日本介護整体学院の各校舎で開講されている講座を受けることで取得できます。
資格は介護ケアセラピー1~3級と、介護ケアセラピー統一訓練講座(準2級相当)の計4コースに分かれており、それぞれ異なる内容が設けられています。
検定修了後には協会より「介護整体技能士」の認定証が授けられ、学んだケア技術を活かして働いていくことが可能になります。
以下に各コースについて簡単に整理しました。興味があること・身につけたいスキルについて考えながら、自身に最適なコースを選択しましょう。
介護整体技師統一訓練講座(準2級)
受講料:100,000円(認定料含む)
講座内容:介護事業所における基礎身体介助から介護ケアセラピーの基礎を学ぶカリキュラム(介護事業所におけるキャリアアップに適したコースです)
訓練期間:11日~(計22時間)
コース内容:基礎身体介助(1時間)・フットマッサージ(2時間)・介護ケアセラピー基礎訓練(16時間)・擦撫手技法訓練(1時間)・実技検定試験(1時間)
介護整体技師3級
受講料:100,000円(認定料含む)
講座内容:介護事業所における基礎身体介助と着座位での手技療法のトレーニング
訓練期間:11日~(計22時間)コース内容基礎身体介助(4時間)・擦撫手技法訓練(8時間)・座位施術訓練(8時間)・基礎整体学(1時間)・実技検定試験(1時間)
介護整体技師2級
受講料:100,000円(認定料含む)
講座内容:職員の介護腰痛予防と利用者の床ずれ防止のための手技療法およびフットセラピー
訓練期間:11日~(計22時間)コース内容介護腰痛予防(2時間)・横臥位施術訓練(15時間)・フットケアセラピー(4時間)・実技検定試験(1時間)
介護整体技師1級
受講料:100,000円(認定料含む)
講座内容:介護事業所内のサービス向上を目的とした手技療法トレーニングと認知症遅延のための知識
訓練期間:11日~(計22時間)コース内容総合施術訓練(4時間)・伏臥位施術訓練(15時間)・認知症予防概論(1時間)・実技検定試験(2時間)
介護ケアセラピーの活躍の場は?
先ほどご紹介したように、介護ケアセラピー資格講座ではセラピーについてだけでなく「身体介助の基礎」や「認知症ケア」といった知識から、サービス向上や腰痛予防などの介護現場で役立つ事柄について学べます。
そのため、特養やグループホームなどの入居系サービス・デイサービスや訪問介護などの在宅系サービスなどの介護事業所はもちろん、セラピーサロンや地域の介護予防教室、さらには家族の介護などさまざまな場所で活かすことができる資格といえるでしょう。
ケア技術に関する資格は将来性抜群
スキルアップを目指す介護士の方や家族のケアを考えている方、高齢者ケアの知識をつけたいセラピストの方など、幅広い層の方々にオススメなのが介護ケアセラピー。
「介護予防の推進」や「ケアの質の向上」など介護の形が見つめ直されている現在、これからますます役立っていく資格なのではないでしょうか。
民間資格ではありますが、スキルとしてしっかりとアピールできる資格を身に着けていれば転職を考える際にも便利です。
それに、触れ合いを重視するコミュニケーションには、ケアの対象だけでなく自分も癒される効果があります。
明るく充実した働き方をしたい方も、受講を考えてみてはいかがでしょうか?