G.イーガンはSOLERというコミュニケーション法を生み出したアメリカ人学者。
介護だけではなく、日々の日常生活にも応用できる、SOLER理論を一緒に学んでいきましょう。
目次
- SOLERとは?
- 最後に
みなさんは、G.イーガンという人物を知っていますか?
おそらく、介護の勉強をしたことがある人なら、どこかで必ず1度は目にしたことのある名前ではないでしょうか。
彼の有名な功績といえば、他者との関わりを示す動作として、SOLERというものを開発したことです。
今回は、そんなG.イーガンと彼の考え出したSOLERについて、学んでいきましょう。
SOLERとは?
では、そもそもSOLERとはなんなのでしょう。
SOLERとは、他者との関わりを表す5つの動作の頭文字をとったもの。
非言語的コミュニケーションにおける重要な要素として注目されています。
そして、この5つの動作がしっかりとできていれば、他者としっかりと関わったコミュニケーションが取れると、G.イーガンは主張したのです。
G.イーガンは介護に携わる人ではありません。
彼はシカゴ大学で、心理学や組織論を教えたり、コンサルタントとしての活動も行っている人物。
そのため、SOLERは介護だけではなく日々の日常生活にも応用できる理論といえるでしょう。
では、早速、SOLERの5つの動作を1つずつ見ていくことにしましょう。
S:square (正対する)
まず一番最初のS。
これは、squareという英語を指します。
おそらく、この単語を辞書で引くと、「四角」とか「正方形」といった言葉が最初に出てくるかと思いますが、ここでいうsquareとは正対すること、すなわち相手とまっすぐ向き合うことです。
日本語でも「膝と膝を突き合わせる」という表現がありますが、それと似たような感覚です。
ただし、これはあくまでも心理的な話としてとらえたほうが良いと思います。
実際に、90度で膝と膝をつき合わせた状態だと、どこか対立した緊張関係が生まれてしまいがち。
特に、初めて介護を受ける人の中には、慣れない環境で緊張している人が多いため、このような姿勢はかえって逆効果になることもあるかもしれません。
体は少しななめに傾け、心はまっすぐに正対する。これが、squareを実践する一番の方法ではないでしょうか?
O: open (開いた姿勢)
次のOはopen。つまり、体を開いた姿勢のことを指します。
人間にとって、胴体は心臓や肺といった生命に重要な臓器がたくさん入っている大事な部分。
そのため、危険や不安を感じると、人間は無意識のうちに腕を組んでたり、身体を横に向けたりして、その胴体を守ろうとします。
逆に、自分からその大事な部分をさらけ出すことで、相手にも安心を与えることができるのです。身体を開いて、相手に自分をさらけ出す感覚です。
L: lean (相手へ少し姿勢を傾ける)
次のL。
これはleanという英単語からとったものです。
人の話を聞くとき、少し前のめりの姿勢になることで、相手は自分の話に関心を持っていると感じます。
やはり、自分の話に相手が関心を持っているというのはうれしいことですよね。
E: eye contact (アイコンタクト)
Eはeye contactからとったもの。
この言葉は、日本語でも日常的に使われるため説明不要でしょう。
先ほどのleanと同様に、しっかりと相手の目を見て、話を聞くことで、会話に関心を持って集中していることを示すため、相手とより深い関わりを持ってコミュニケーションをとることができます。
R: relax (リラックス)
最後のRはrelaxの頭文字。
これもまた、日本語で日常的に使われている言葉です。
relaxはSOLERの一要素を構成しているものではありますが、これまでに挙げた4つのことをしっかりとできていれば、自ずとリラックスできてきるはずです。
最後に
SOLERはアメリカ人であるG.イーガンによって、考案されたものです。
ジェスチャーなど、非言語コミュニケーションのは、文化によってばらつきがあるため、G.イーガンのSOLERをそのまま日本で利用するのも危険です。
SOLERはあくまでも1つの参考として、自分なりの相手との関わり方を見つけてみてください。