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訪問介護サービスのリーダー的存在!「サービス提供責任者」とは?

訪問介護サービスのリーダー的存在!「サービス提供責任者」とは?

サ責(させき)とは、訪問介護における「サービス提供責任者」の略で、問介護事業所においてはとても重要なポジションです。今回はサ責のお仕事について理解を深めましょう。


目次

【1】「サービス提供責任者」は需要が高いポジション

【2】サービス提供責任者になるには?

【3】無資格の人はまず実務者研修を

【4】サービス提供責任者のお仕事

【5】サービス提供責任者に求められるスキル

【6】まとめ


「サービス提供責任者」とは、「サ責」と略して呼ばれることが多く、訪問介護サービスにおいてリーダー的な存在です。

通常のヘルパーより給与アップが見込める「サービス提供責任者」の仕事内容や、どうやってなれるのかを知っておきましょう。



「サービス提供責任者」は需要が高いポジション

訪問介護サービスを行っている施設では、サービス提供責任者は必ず1人以上は配置が義務付けられています。

サービス提供責任者の人は、自分自身がヘルパーの1人であり、利用者さんや利用者さんのご家族、ケアマネジャー、医師、看護師など、多くの人と連携する重要なポジションです。


それゆえ、責任も大きくなりますが、やりがいのある仕事で、介護施設が急増しているため、たくさんの求人が出されています。



サービス提供責任者になるには?

サービス提供責任者は、未経験でも目指すことができます。

以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。


・介護福祉士、看護師、准看護師、保健師、いずれかの資格を取得した方

・実務者研修を修了した方

・2013年3月31日までにヘルパー1級を取得した方

・2013年3月31日までに介護職員基礎研修を修了した方

・介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級)を修了、実務経験3年以上を満たしている方


介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級)を修了し、実務経験3年以上を満たしている人は、サービス提供者になることができますが、介護報酬が10%減算されてしまうため、実務者研修もしくは介護福祉士の資格取得をされる方が多いのが現状です。



無資格の人はまず実務者研修を

無資格の人が「実務者研修」を修了するには、6カ月ほどかかると考えておきましょう。

介護の基礎資格である「介護職員初任者研修」に比べると、修了まで時間はかかりますが、その分、「サービス提供責任者」になれることで通常のヘルパーよりも良い待遇や給与が期待できます。


「実務者研修」のカリキュラムは「通信」だけで修了することはできないため、「通学」の受講も必須ですので注意しましょう。



サービス提供責任者のお仕事

 サービス提供責任者の仕事内容は大きく分けて「介護計画書の作成」「サービス担当者会議への出席」「スタッフの育成・管理」の3つです。


1、介護計画書の作成

利用者さんの「介護計画書」の作成は、サービス提供責任者の最も重要な仕事の一つと言えるでしょう。

訪問介護サービスを、責任を持って計画し運営するために、ケアマネージャーが作成したケアプランに基づいて訪問介護計画書を作り、計画通りきちんとサービスが提供されているかを確認し、必要な時は計画書を見直したり、関係者と連携を取る、コーディネーターのような役割です。


実際に、利用者のご自宅にお伺いして、何に困っていて、どんな介護サービスを求めているのかをご家族と一緒にヒアリングします。


2、サービス担当者会議への出席

はじめて介護を利用する人の場合や要介護認定が変更になった場合、または利用者の要望が変わった際は、サービス担当者会議を開きます。

サービス担当者会議は、利用者さんとその家族、ケアマネジャー、デイサービス担当者、かかりつけ医、看護師などが参加して意見交換を行う場です。


関係者に介護計画書の内容を説明し、変更に合わせて内容を確認してもらい、意見をもらいます。


3、スタッフの育成・管理

サービス提供責任者のマネジメント業務としては、ヘルパーさんたちの育成と管理があります。

ヘルパーたちを取りまとめ、指導したり、労働環境に対する意見や不満、利用者さんとのコミュニケーションの取り方やシフト調整など、仕事内容は多岐に渡ります。


利用者に合うヘルパーさんを選定して配置したり、問題が起こったときは解決のために利用者やご家族と話し合いの場を設けます。そして、ヘルパーを育成し、スキルモチベーションのアップを促します。



サービス提供責任者に求められるスキル

サービス提供責任者は訪問介護施設において、利用者40名に対し1名以上の配置が義務づけられています。そのため、抱える人数と同時に責任もやりがいも大きくなります。


その人に合った訪問介護計画を、周りの人と連携しながら作成し、見直したり、スタッフや会議のスケジュール調整をしたり、多くの人を巻き込んでバランスよくコミュニケーションを取るスキルや、スケジュールやスタッフを管理するマネジメント能力が求められると言えます。


1日の仕事の流れ(例)

8時:出社し、ヘルパーさん達のシフトや予定の確認

10時:利用者の自宅を訪問、ケアプランに沿って利用者さん、ご家族と打ち合わせ

12時:昼食

13時:介護計画書の作成、シフト調整

14時:利用者の自宅を訪問、ケアプランに沿って利用者さん、ご家族と打ち合わせ

17時:サービス担当者会議に出席

18時:1日の仕事のまとめ、ヘルパーさんとの打ち合わせ、終わり次第、退勤



まとめ

今回は「サ責」についてお話しましたが、いかがでしたか?


サービス提供責任者は、施設外の人も含め、たくさんの人と関わるため、大変なこともありますが、信頼関係を築きながらヘルパーさんたちの成長が感じられる非常にやりがいのあるポジションです。


利用者さんの立場になって適切な計画書を作成し、遂行できるスキルは介護業界ではどこに行っても通用すると言えるでしょう。