高齢者になると、身体が思うように動かなくなる場合もあり、一人での外出は不可能になりがちです。そのため、家に引きこもりがちになり、さらに健康を害するという事態になってしまいます。そこで登場したのが外出支援サービスです。今回は外出支援サービスとはどういったものなのかまとめていきます。
外出支援ってなに?
歩行困難をはじめ、様々な理由から一人で外出できない高齢者に付き添い、外出を可能にするサービスです。家を一歩出ると、バリアフリーされていない箇所も未だ多く、安心して外出ができない場合に利用すると大変便利です。
外出支援を利用すると、車の送迎や目的地への道順なども調べてもらえるため、家を出たら全てを任せてしまうことも可能なサービスとなっています。
介護保険対象外のサービス
大変便利なサービスであるため、うまく利用していきたいサービスではあるのですが、問題は介護保険対象外であるということです。
利用者のケアプランに外出支援サービスが入っている場合に限って、乗降介助も含めた介護タクシーは介護保険で利用することは可能です。しかし、条件もあり、毎回気軽に利用できるものではありません。外出支援を提供しているところは、社会福祉法人、民間業者、自治体が挙げられます。
サービス内容や値段はどのくらい?
実際に利用する場合、どのようなサービスがあり、また値段はいくらかかるのでしょうか。
自治体・社会福祉法人の場合
介護を要する高齢者や身体障碍者が外出を希望する時に、車椅子に乗ったまま乗車可能な介護タクシーや業務用車両で移動を行います。介護タクシーの場合は、ヘルパーによる介助がありますが、業務用車両ですとヘルパーの介助がない場合もあり、家族の介助を要するため、付き添いを希望される可能性があります。
他にも制限はあり、移動可能範囲が自宅より何キロ以内や一定範囲のみなどと決められていることもあります。また、利用回数にも上限がある場合も多いです。加えて、利用可能な曜日や時間帯も決まっていることが多いです。また、外出を希望したいなら、どんな理由でも利用できるわけではなく、一定の目的の下、利用しないといけないという事情もあります。
利用金額は1時間につき数百円やガソリン代のみ請求されるなど、安価な価格設定がなされています。内容や価格は自治体や社会福祉法人によって異なるため、確認が必要です。
民間企業の場合
サービス内容はかなり多岐にわたります。車椅子に乗車した状態で利用できる介護タクシーはもちろん、移動時に付きっきりで丁寧なサポートしてくれるサービスもあります。多様なサービスがあるため、どこまでしてくれるのかは各事業所に問い合わせて確認するのが良いです。
利用金額は、介護タクシーの場合、運賃に加えて介助料金が発生します(15分ごとに1000円~)。または、1時間5000円などといった時間ごとに請求されるケースです。外出の付き添いをお願いした場合は1時間ごとに3000円~5000円ほどの価格設定が多く、一日利用すると2万円~3万円かかることになります。
旅行支援ってどういうもの?
一日だけの外出支援もあれば、数日にわたっての外出支援もあります。数日間にわたる外出支援は旅行が該当しますが、旅行をする時にもヘルパーを利用することができます。自治体や民間企業による外出支援サービスには旅行に付き添ってくれるサービスがあるのです。
日常生活でも介助が必要な高齢者は、旅行は無理と諦めてしまいがちです。そういった人のために旅先でも介助サービスを提供し、旅行を可能にしたのです。排泄や入浴、食事の介助はヘルパーが行うことが可能なため、心強いです。介護や看護の資格を持ったヘルパーが同行するため、安心して旅行に出かけることができます。価格設定は一日あたり2万円~3万円弱ほどです。
外出支援の内容は利用者ごとに若干異なるため、まずは相談することが大切です。ある程度は利用者の希望を聞いてくれるため、本人にあったサービスプランを作成し、有意義な外出を楽しむことができます。自治体に比べて、民間業者のサービスはやや価格が高くなる傾向があるため、予算とも相談しながら、最適なプランを組めると良いです。