あってはならない事ですが、働いている職場で法律違反を知りつつ運営している事を知ってしまった場合、どう対処したらいいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
直接、上司に言う事もしずらいという方や、言っても改善をされないという場合、労働基準監督署への相談を行う事も選択肢に出てくると思います。
しかし、実際に相談しても意味がないという話や、相談方法をどうすれば良いのか等悩まれる方もいらっしゃると思います。
今回はそうした疑問を解決できるように、相談方法等についてもわかりやすく解説していきます。
【 目 次 】
- 労働基準監督署とは
- 労働基準監督署への相談は意味ない?
- 労働基準監督署への相談方法
労働基準監督署とは
労働基準監督署とは、労働基準法等の法律をはじめとする労働基準関係法令を企業や法人が違反していれば是正するよう促す行政機関です。
管轄は厚生労働省となっており、一般的には労基署や労基などと略した名前で呼ばれる事もあります。
監督する地域が定められており、地域の企業や法人が労働基準関連法令を違反していた場合、指導勧告や立ち入り調査を行う事が出来、その調査は強制力を持つなど強い権限が与えられています。
調査の中で法律の違反を発見した場合は、是正の勧告や助言、指導を行うなど対象の企業や法人に対して改善を求めます。
労働基準監督署へ相談できる内容は決まっており、5つの労働問題を相談することが可能です。
- サービス残業など残業代が支払われない
- 賃金が支払われない
- 休憩や有給休暇が取れない
- 退職ができない
- 労災を適用してもらえない
これらのような労働者の権利が侵害されている場合は、労働基準監督署に相談をすることが有効でしょう。
労働基準監督署への相談は意味ない?
労働基準監督署には、法律違反している企業や法人に対して調査や改善の指導を行う事ができますが、労働基準監督署にも法律的な限界があります。
基本的には企業や法人に違反があるのかどうかを調査、是正を勧告する機関になるため、個人的な労働問題の解決を目的に動くことはありません。
また、労働基準監督署の是正勧告は「行政指導」となります。
そのため、企業や法人に対しての強制力を持つわけではない事を理解しておく必要があります。
【動ける場合と動けない場合】
- 労働基準監督署が動ける場合 :刑事罰がついている労働基準関連法令への違反
- 労働基準監督署が動けない場合:パワハラやセクハラ、解雇、異動など労働者個人との問題
基本的には労働基準監督署は中立の機関です。
そのため、あくまでも企業や法人に対して、労働関連法令を守ってもらえるように動く。と言う事が労働基準監督署の役割だという事を覚えておきましょう。
また、上記のように動ける場合だったとしても、いくつかの理由で動けない事もあります。
・証拠不足
・優先順位が低いと見做されてしまう
相談の内容が客観的な証拠を押さえていない主観的なものだった場合や、また内容が軽微な違反であり、より重度の違反を優先しないといけない場合等、必ずしも動いてくれるわけではありません。
理由としては労働基準監督署のリソース(人員)不足によるものもありますが、動くべきか判断できない場合もあるからです。
確実に動いてほしいと思うのであれば、相談内容に応じた証拠集めや客観的に違反とわかる内容での相談を行う事が良いでしょう。
では実際に労働基準監督署へ相談する場合、どんな相談方法があるのでしょうか。
労働基準監督署への相談方法
労働基準監督署への相談方法は主に3つあり、「窓口での相談」「電話での相談」「Webからの相談」となっています。
よく、メールで相談したいという方もいらっしゃいますが、実際には厚生労働省の下記送信フォームより情報を送る形になるため、必須事項の入力が必要となります。
また、上記でも記載させていただいた優先順位を上げるためには、より詳細な情報が不可欠となります。
実際に労働基準監督署を動かしたい場合は、匿名のまま進める事は難しいと考えた方が良いでしょう。
匿名で進める場合は、メールフォームから名前を「匿名」と記載するか、電話で「匿名」希望で進める方法もありますが、あくまで相談までと考えた方が良いかもしれません。
内容が重大な違反とされる場合は調査対象となる可能性もありますが、基本的には労働基準監督署に動いていただくためには、窓口で申告をしていただく必要があります。
書面を準備していただき、その中に証拠となる資料も一緒に合わせた上で、申告することが一番確実な方法と言えます。
ここまで労働基準監督署の機能やできる事、相談方法等を見てまいりました。
労働基準監督署は、法令違反をする企業や法人に対しての調査や是正勧告を行う事が出来、働く方にとっていざというときに頼れる機関です。
しかし、労働基準監督署にも限界はあり、優先順位をつけて行動をしています。
先ずはご自身が置かれている環境が、相談に適している内容かどうかや、証拠があるのか、相談の方法を検討した上で利用されてみるのはいかがでしょうか。
労働基準監督署でも解決が難しい場合や、相談に適さない場合でも、働く方にとって深刻な問題と感じるケースも非常に多くあるかと思います。
そうした際は、お一人で悩まず専門のコンサルタントに相談される事で、解決の糸口になる事もあるのではないでしょうか。
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