みなさんは「扶養内」というワードを耳にしたことはある方が多いと思います。
しかし、よく聞きますが内容が難しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。
今更聞けない・・という方のために詳しく説明いたします。
目次
扶養内とはそもそもどういった制度か
「年収の壁」の特徴について
扶養内勤務のメリットとデメリット
扶養内とはそもそもどういった制度か
「扶養内」の意味とは、「家計を主に支える方の扶養の範囲内」ということになります。
実は扶養内には2種類の分類があり、それぞれ「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」とされています。
■税法上
例えば親や配偶者などの家計を主に支える方の収入から、扶養控除額が差し引かれるため住民税や所得税が減額されます。
■社会保険上
家計を主に支える方が、勤め先の健康保険に入り、厚生年金でいうところの「第3号被保険者」になります。
そのため自分で健康保険料・年金保険料などの社会保険料を納る必要がなくなります。
また、税法上の扶養と社会保険上の扶養では、「年収の壁」と呼ばれるものがあります。
【 税法上の扶養 】
- 年収100万円の壁
- 年収103万円の壁
- 年収150万円の壁
- 年収201万円の壁
【 社会保険上の扶養 】
- 年収106万円の壁
- 年収130万円の壁
「年収の壁」の特徴について
■年収103万円の壁
年収が103万円を超えると、自分に所得税の納税義務が出てくるため、38万円の配偶者控除がつかなくなるのです。
ただし、年収が103万円を上回ってしまった場合も年収150万円までは、配偶者の住民税と所得税の額には影響しません。
※配偶者特別控除の金額と同額になるため。
■年収106万円の壁
大規模の会社で勤めている方は、以下の加入条件すべてを満たした場合、パート勤務であっても勤め先で社会保険に加入する必要があります。
≪社会保険の加入条件≫
- 1カ月あたりの所定内賃金が88,000円以上である
- 1週間の所定労働時間が20時間以上である
- 勤務期間が2ヶ月以上の見込みである
- 学生ではないこと
- 勤務先の従業員が101人以上の企業である ※2024年10月から従業員51人以上の企業も対象になりました
■年収130万円の壁
勤務先の大きさや勤務の条件によらず、年収が130万円を上回ってしまった場合は、社会保険上の扶養から外れてしまいます。
例えパートであったとしても勤務先の会社で、社会保険に加入することになります。
パート先で社会保険に加入できない場合は、国民年金保険や国民健康保険に加入する必要がありるので注意が必要です。
■年収150万円の壁
年収150万円までは配偶者は配偶者特別控除として、控除額として最大38万円を受けることができます。
しかし、年収150万円を上回ってしまった場合は配偶者特別控除額が減少し税金が増加してしまいます。
配偶者の年収が1,195万円を上回ってしまった場合は、ご自身の収入金額にかかわらず、配偶者控除や配偶者特別控除は適用されません。
■年収201万円の壁
年収が201万円を上回ってしまった場合は、配偶者特別控除が無くなってしまいます。
そのため、社会保険上の扶養からも税法上の扶養からも外れることとなります。
扶養内勤務のメリットとデメリット
ここまでご案内させていただいた通り、「扶養内」という働き方には細かくルールがあり、何が得になるのかはご家庭によります。
自分たちに合った働き方を選ぶためにもメリットデメリットを理解しておいてください。
【 メリット 】
- 年金保険料を納めずに国民年金がもらえる
- 健康保険料を支払わずに医療費が3割負担になる
- 配偶者が税金の負担が抑えられることで、手取りが増える
【 デメリット 】
- 働き方が限定される可能性が高い
- 将来もらえる年金が少ない
近年働き方や生き方が多様化され、家族の中で働き方をどうしていくのか、どう過ごしていくか、老後どのような生活をするのか考える必要があります。
希望のキャリアプランが実現できるようご家族でよく話し合い、働き方を選べるようにしていきましょう。