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東京都で新事業!ケアマネジャーの確保と定着に向けた事業を新設!

東京都で新事業!ケアマネジャーの確保と定着に向けた事業を新設!

東京都は、ケアマネジャーの確保と定着を目的とした新事業を開始しました。

高齢化の進展に伴い、ケアマネジャー不足が深刻化しているため、ケアマネジャーの専門性を十分発揮できる環境を整備していく必要があります。

新事業では研修やキャリアパスの充実、相談窓口の設置などを通じ、ケアマネジャーの人材確保と離職防止を図ります。

これにより質の高いケアサービス提供と地域包括ケアシステムの推進が期待されています。

今回はこの背景について解説していきます。




目次

東京都がケアマネジャーの確保定着に向けた施策を発表

ケアマネジャー不足が深刻化している

更新研修のオンデマンド化も検討されている




東京都がケアマネジャーの確保定着に向けた施策を発表


都内に勤務するケアマネジャーの数は2019年度をピークに横ばいで推移しており、

介護支援専門員証の新規交付者数もここ数年は低調とケアマネジャーの確保・定着が喫緊の課題となっています。

2024年4月に「介護支援専門員研修に関する緊急提言」をまとめ、ケアマネジャーの法定研修について質の担保と負担軽減が両立した研修制度となるよう国に提言しました。

具体的には今年度より事業所が負担した法定研修の受講料の4分の3補助と、居宅介護支援事業所での事務職員雇用経費を各事業所1人分・最大187.5万円まで支援する新事業となります。


■「介護支援専門員法定研修受講料補助事業」

ケアマネジャーは5年ごとの更新研修時に最大88時間の法定研修受講が必要ですが、実務に従事しながら長時間の研修を受講することや、高額な受講料(東京都で専門研修Ⅰ・Ⅱを両方受講する場合、計5万8,300円)が大きな負担となっていました。

そこで「介護支援専門員法定研修受講料補助事業」実施することになりました。

ケアマネジャーの法定研修受講料の負担軽減に取り組む事業者に対して負担の一部を東京都が補助するというものです。


■「居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業」

都内の居宅介護支援事業所に対し、1人分の事務職員雇用経費を、最大187.5万円(補助基準額250万円、補助率4分の3)補助するというものです。




ケアマネジャー不足が深刻化している


厚生労働省が日本総研とともに2023年度に実施したシミュレーションによると、

2022年度と比べて2025年度までに約2万7千人、2040年度までに約8万3千人の上積みが必要となることがわかりました。

(ケアマネジャー人あたりの担当件数などが今と変わらないことが前提)


ケアマネジャーの人数は、現任者の高齢化もあって足元で微減傾向が続いています。

これから人材確保や生産性向上などを実現しなければ、高齢者が必要なサービスを速やかに受けられない問題が深刻化する懸念が強いことが浮き彫りになりました。


今後求められるケアマネジメントの体制整備としては新たな人材の確保や離職の防止、ケアマネジャー1人あたりの担当件数の引き上げなどが必要と言われています。

・処遇の改善

・業務負担の軽減

・資格試験の受験者数の増加

・実務研修後の入職率の向上

など、より長く安心して働ける環境の整備などに向けた施策を総合的に推進していく必要があります。




更新研修のオンデマンド化も検討されている


ケアマネジャーは5年ごとの更新研修時に最大88時間の法定研修受講が必要になっています。

そのため金額はもちろん、実務に従事しながら長時間の研修を受講することも大きな負担となっていました。


そんな中、2024年6月に厚生労働省から介護支援専門員の更新研修の負担軽減に向けた施策の方向性が提言されました。

具体的には、講義の科目を全国で統一的に実施したり、ケアマネジャーがそれぞれのペースで少しずつ受けられるようにしたりすることを今後の論点として提示しました。

例えば、次の更新までの間に複数年をかけて、それぞれが望むタイミングで研修動画をオンデマンドで見ることで受講を重ねていける、といった柔軟な形とすることが想定されています。

更新研修の効率化を図るとともに、働きながらでも受講しやすい方法に変える狙いがあります。

講義を全国で統一的な内容とすれば、運営コストの削減や受講料の軽減などにもつなげられそうです。