全ての介護事業者に対して毎年の経営情報の報告が2025年1月から義務化されます。
この新制度の目的は介護事業者の経営状況を「見える化」にすることで、実態をより明確にしていくことが目的です。
それに伴い、新システム「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」の整備を進めています。
今回は新制度について詳しく解説していきましょう。
目次
「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」とは
制度の趣旨と内容
実施のスケジュールとまとめ
「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」とは
国が整備するシステムで、介護事業者が会計年度ごとに財務諸表などの経営情報を都道府県に報告する際に使用されます。
2024年8月、厚生労働省は、全ての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度について、その概要や留意点などをまとめた通知を発表しました。
この新たな制度は、2023年の法改正に基づいて2024年度から導入されたものです。
介護事業者の経営状況を“見える化”し、実態をより正確に把握・分析できるようにすることが目的です。
3年に1度の介護報酬改定や介護職の処遇改善など、今後の重点施策の精度向上につなげる狙いがあると言われています。
制度の趣旨と内容
この制度の目的は介護事業者の経営状況の透明性を高め、利用者の選択肢を拡大し介護報酬の適正化を図ることです。
財務諸表の提出が義務化された背景には社会福祉法人や障害福祉サービス事業所、医療法人においても財務状況の公表が実施されていることが挙げられます。
全介護事業者は、国が新たに整備する「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」を使って、会計年度ごとに都道府県へ報告をしなければいけなくなります。
原則、報告は事業所・施設単位で行いますが、過去1年間の介護報酬が計100万円以下など、一部の例外を除く全ての介護事業者が対象となります。
報告する経営情報は、事業所・施設の基本情報や収益、費用、職種別の職員数。
費用では給与費、業務委託費、減価償却費、水道光熱費などの内訳も必須とされているようです。
初回の報告(令和5年度分)は2025年の1月から3月に行いその後は、事業者の会見年度ごとに提出期間が異なります。
実施のスケジュールとまとめ
このシステムの利用(ログイン)には「GビズIDアカウント」が必要で、2024年秋頃に厚生労働省からマニュアルが公表される予定です。
厚労省は通知で、「アカウントの作成方法やGビズIDアカウントの運用方法などの手引きを作成している。今年秋頃のシステムの運用マニュアルの公表と併せて通知する」と説明しています。
介護事業者はこうした報告のために、新しい「介護事業財務情報データベースシステム」を使うことになります。
介護ソフトから出力したcsvファイルをアップロードしたり、Webの専用フォームに入力したりする形が可能となり稼働開始は2025年1月を予定しています。
初回の報告は、2024年1月から3月までの間に済ませる必要があります。
この新システムでは財務諸表を提出しない、または虚偽の報告を行うと、期間を定めて報告もしくは内容を是正することが命じられるほか、業務停止や指定取消の罰則規定も明示されています。
「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」について今後も注目していきましょう!