政府は2024年8月6日から国家資格を持っている人などが、マイナンバーカードを用いてサービスを利用ができるようになることを発表しました。
これにより国家資格を持っている人が介護福祉士や社会福祉士などの資格手続きをオンライン上で可能になるうえに住民票や戸籍謄本の提出が不要になります。
今回は介護系国家資格のデジタル化の背景について解説していきます。
目次
2024年8月6日に始まったデジタル化とは
これまでの資格手続きとは
まとめと今後、その他資格のデジタル化の見通し
2024年8月6日に始まったデジタル化とは
介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士などの国家資格を持っている人などが、マイナンバーカードを用いてマイナポータルからサービスを利用できるようになりました。
具体的には国家試験に合格した際の資格登録や資格を取った後の氏名・住所変更などの手続きです。
今後はオンラインで済ませられるようになり、戸籍や住民票の写しなども不要となり、手数料はオンライン決済で支払えるようになります。
また、現場での資格証明に使えるデジタル資格証のダウンロードも可能となります。
このデジタル化の目的は、関わる全ての人たちに対する業務効率化です。
国家資格保持者はもちろんのこと、資格を管理する行政・関係機関なども、申請の受け付け、審査といった事務の効率化、精度の向上、コストの削減が図れることになります。
これまでの資格手続きとは
これまでの資格手続きの方法を介護福祉士を例にとって説明していきます。
介護福祉士試験合格後のスケジュール
3月下旬 合格発表
4月上旬 登録手続き
5月上旬 登録証交付
という流れになります。
1つ1つ具体的に見ていきましょう。
■合格発表
国家試験は筆記試験と実技試験に分かれており、実技試験終了後に合格発表がされます。
合格者には3月下旬に合格証書と登録に必要な書類一式が入った封筒が送られてきます。
■登録手続き
必要書類を揃え、登録に必要な書類を社会福祉振興・試験センター登録部宛に提出します。
提出書類が試験センターに到着すると受理され、審査が行われます。
書類に不備がなければ登録されます。
審査を通らなければ登録簿に記載されず「介護福祉士」という名称を名乗ることができません。
■登録書交付
書類提出後、1カ月程度で介護福祉士登録証が郵送されてきます。
登録証に間違いがなく、手元に届けば介護福祉士として勤務することが可能となります。
まとめと今後、その他資格のデジタル化の見通し
2024年8月から、日本は介護福祉士を含む国家資格記録のデジタル化を実施します。
この取り組みは資格データを一元化してデジタル化し、資格の確認、更新、更新などの行政手続きを簡素化します。
データを一元化、デジタル化、簡素化することで効率性の向上、書類作業の削減、専門家や雇用主が資格関連のプロセスをオンラインで管理しやすくすることを目的としています。
また、引き続き紙ベースで手続きを行う手段も残りますが、資格を持っている人がそれぞれ手続きの方法を選べるようになります。
現在は「介護福祉士」「社会福祉士」「精神保健福祉士」のみになりますが、今後は運用資格の幅を広げていく方針です。
医師や看護師、リハビリ専門職(PT、OT、ST)などは2024年11月頃以降に、ケアマネジャーは2025年の3月頃以降に運用を始める予定とされています。