2024年最新の介護労働実態調査でサービス提供責任者(サ責)の給与がケアマネジャー(ケアマネ)の給与を上回ることがわかりました。
これは介護業界全体の人材不足による様々な変化が影響しており、
現場のマネジメントやサービスの調整などサ責の役割が重要視されているからです。
そのため責任の重さに応じた給与の見直しが行われていると考えられます。
今回はサービス管理責任者の給与アップの背景を紐解いていきたいと思います。
目次
そもそも介護労働実体調査とは
介護労働実態調査で各介護職の平均給与が判明
サ責の働き方とは
そもそも介護労働実体調査とは
■介護労働実態調査とは
介護労働実態調査は、介護業界における労働環境や労働者の状況を把握するために行われる調査です。
この調査は介護施設や在宅介護サービスを提供する事業所で働く職員の以下の項目を対象としています。
・労働条件
・労働時間
・賃金
・職場の人間関係
・職務内容
・ストレスの状況
■介護労働実態調査の目的とは
目的は介護業界で働く労働者の実態を明らかにし、労働環境の改善や政策立案に役立てることです。
調査結果は「厚生労働省」「地方自治体」「介護関連の団体」などが利用し、
介護労働者の待遇改善や介護サービスの質向上に向けた施策を検討する際の基礎資料となります。
■介護労働実態調査はいつ行われるのか
概ね3年に1度の頻度で行われています。
具体的な実施時期はその時々の調査計画にそって行われますが、通常は年度内に調査が実施されます。
調査結果は翌年度以降に公表され、厚生労働省のウェブサイトなどで閲覧することが可能です。
介護労働実態調査で各介護職の平均給与が判明
■介護職員の平均給与
2024年の介護労働実態調査によると、前年より約3,739円(1.6%)の増加により、介護職員の平均月給は24万1,296円となっています。
この調査は2万人以上の介護職員を対象に行われたもので、さまざまな職種の月給が報告されています。
■各介護職の平均月給
2024年の介護労働実態調査による主な介護職の平均月給は以下の通りです。
・サービス提供責任者(サ責)
ケアマネジャーを上回る結果となり、25万1,115円となりました。
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
わずかの差でサ責を下回る結果となり、25万1,056円となりました。
・ホームヘルパー
最も低い給与水準となり、22万3122円となりました。
・生活相談員
全介護職員の平均月給とほぼ同じの24万2532円となりました。
■サ責がケアマネジャーの平均月給を上回った理由とは
サ責の給与がケアマネジャーを上回った理由は、サ責の業務が多岐にわたり現場での責任が重く重要な役割を担っていることが挙げられます。
具体的には、ご利用者さまや家族との調整、ケアプランの作成、スタッフの指導など、実務に直結した業務が多く、これが給与に反映されたと考えられます。
サ責の働き方とは
■サ責の仕事内容とは
サービス提供責任者(サ責)の仕事内容は、主に訪問介護サービスの管理と調整を担当します。
具体的な内容は以下の通りです。
・利用者さまさまのケアプランの作成と管理
・訪問介護員の指導・教育
・調整
・サービスの質の管理
また、必要であればサービス提供の実務にも関わることがあり、現場での対応も求められます。
■サ責になるための条件とは
サ責になるための条件は、以下のいずれかの資格を持っていることが必須です。
・介護福祉士の資格
・実務者研修を修了していること
・旧ホームヘルパー1級の資格
また、サ責の役割には経験が重要とされるため、一定の実務経験も求められることが多いです。
特に訪問介護の現場経験が重視されます。
■サ責が社会から必要とされる理由
サ責の配置基準は法律で規定されています。
具体的には施設のご利用者さま40人に対して1人以上のサ責を配置する必要があるのです。
今後、サ責の需要はますます重要視されていくと考えられる中での今回の発表!
今後も注視していく必要がありそうです。