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社会福祉士の国家試験合格率が過去最高の58.1%に!合格者増えた要因とは?

社会福祉士の国家試験合格率が過去最高の58.1%に!合格者増えた要因とは?

社会福祉士の資格は国家試験ということもあり難しい試験というイメージをお持ちではないでしょうか?

福祉系の資格の中でも難易度の高い資格と言われており、社会福祉士の過去数年の合格率は30%前後で推移しております。

難易度が高い理由は、相談援助業務としての専門性、介護保険制度や社会保障制度の理解など幅広い知識と経験が必要となるからです。

そんな社会福祉士の資格ですが、2023年度の合格率が過去最高の合格率、58.1%を出したことが話題を呼んでいます。

今回はその内容を詳しく解説してきましょう。




目次

社会福祉士の仕事内容とは

社会福祉士の受験資格とは

社会福祉士の合格率と背景




社会福祉士の仕事内容とは


社会福祉士は福祉の仕事全般に携わる国家資格で、ソーシャルワーカーとも呼ばれています。

高齢者、障がい者、児童・家庭福祉をはじめとした福祉関係はもちろん、医療、公的機関、教育などにおいても大切な役割を担っています。

社会福祉の専門職として、今後ますます需要が高まると考えられている資格の1つで、福祉の現場において支援を必要とする人の相談にのり援助・連携することが主な仕事となります。


高齢、障がい、病気、精神的、経済的に課題を抱えている相談者に寄り添い、必要な助言や利用可能な制度の紹介を行うとともに、サービスを利用する上での利用調整や関係者間の連絡など、相談者を支え、抱える課題を解決するためにさまざまなサポートを行っていく仕事だといえるでしょう。

具体的には以下3つの業務で構成されています。


■相談業務

それぞれの事情により福祉サービスを希望する人々の相談の対応

■援助業務

専門的な知識をもって、相談者に的確な援助や助言

■連携業務

必要に応じて、行政や医療機関、教育機関など各関連組織と連携


それでは、社会福祉士の受験資格を見ていきましょう。




社会福祉士の受験資格とは


社会福祉士になるためには、受験資格を得て、社会福祉士の試験を受けることが必要です。

その社会福祉士試験の受験資格を得るためには、福祉系大学等での指定科目の履修・卒業や短期養成施設等または一般養成施設等での修学などさまざまな方法があります。

全部で12通りの方法があり、詳細は以下の通りです。


■福祉系大学・短大等(指定科目履修)で受験資格を得る

①福祉系大学等(4年)+指定科目履修

②福祉系短大等(3年)+指定科目履修+相談援助実務(1年以上)

③福祉系短大等(2年)+指定科目履修+相談援助実務(2年以上)


■短期養成施設等を利用して受験資格を得る

④福祉系大学等(4年)+基礎科目履修+短期養成施設等

⑤福祉系短大等(3年)+基礎科目履修+相談援助実務(1年以上)+短期養成施設等

⑥福祉系短大等(2年)+基礎科目履修+相談援助実務(2年以上)+短期養成施設等

⑦社会福祉主事養成機関(2年以上)+相談援助実務(2年以上)+短期養成施設等

⑧児童福祉士司/身体障害者福祉司/査察指導員/知的障害者福祉司/老人福祉指導主事の実務経験4年+短期養成施設等


■一般養成施設等を利用して受験資格を得る

⑨一般大学等(4年)+一般養成施設等

⑩一般短大等(3年)+相談援助実務(1年以上)+一般養成施設等

⑪一般短大等(2年)+相談援助実務(2年以上)+一般養成施設等

⑫相談援助実務(4年)+一般養成施設等


様々な方法で資格取得を目指せる事が特徴ではありますが、気になるのは試験の合格率ではないでしょうか。




社会福祉士の合格率と背景


「第36回社会福祉士国家試験」の結果が2024年3月5日(火)に公益財団法人社会福祉振興・試験センターより発表されました。


受験者数 34,539人

合格者数 20,050人

合格率   58.1%


過去最高の合格率とともに、過去最高の合格者数となりました。

冒頭でもお伝えした通り、例年の合格率は30%前後で推移していましたが、前回の第35回で初めて40%を上回り、過去最高値となりました。

しかし今回の第36回はそれをさらに上回る結果となったのです。


厚生労働省は合格者数、合格率が伸びている背景について、「2022年度から反映された試験問題の見直しなどが要因として考えられる」と説明しています。

社会福祉士養成課程は、2021年から新カリキュラムでの実施が始まり、社会福祉士国家試験については2025年の第37回から新カリキュラムの内容が反映されます。


2024年に実施された第36回が、旧カリキュラムでの最後の試験でした。

2025年からの受験者の方は、新カリキュラムの科目の試験対策が必要になるため、第37回を受ける予定の方は改めて情報収集をして挑戦してみるのもいいかもしれません。