介護職は日勤帯の勤務だけでなく、「夜勤」という働き方があります。

入居施設の場合、自立して生活できないご入居者様には、24時間365日のサポートが必要となりますが、夜勤の時間が施設により異なる事はご存じでしょうか。

これまで一般的に夜勤の勤務時間は、休憩や仮眠の時間を含めても「16時間」という勤務時間をとる施設が主流でした。

ただ、中には「長時間勤務するのは身体的にきつい・・」という方も多く、近年は「8時間夜勤」を取り入れる事業所も増えてきてる現状です。

しかし、実際に8時間夜勤と16時間夜勤の働き方の違いについて、正確にはわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、それぞれの特徴やシフトパターンをご紹介させていただきます。

【 目次 】

• 夜勤の種類と特徴
• 夜勤のシフトイメージ
• 働くなら夜勤がおすすめ！？

夜勤の種類と特徴

介護職における夜勤には、働く時間やシフトの組み方によって主に以下の2種類があります。

【夜勤の種類】

• 8時間夜勤　（例：22:00～翌8:00）
• 16時間夜勤（例：16:00～翌9:00）

※上記はあくまで一例であり、施設によって勤務時間は多少前後します。

これらの夜勤は、拘束時間の違いだけでなく、スタッフ体制や休憩の取り方、シフト表のパターンなど、さまざまな面で異なっています。

【それぞれの特徴】

■8時間夜勤

• 身体的負担：比較的少なめ（拘束時間が短いため）
• シフトの複雑さ：パターンが多く、やや複雑（例：早番・日勤・遅番・準夜勤・深夜勤など）
• 休日数：年間の休日は多めだが、実際には連続した休みが取りづらく、「しっかり休めた」と感じにくい方も

■16時間夜勤

• 身体的負担：大きめ（拘束時間が長いため）
• シフトの簡潔さ：パターンが少なくシンプル（例：早番・日勤・遅番・夜勤など）
• 休日数：勤務日の間にまとまった休みを取りやすく、「実質的な休みが多い」と感じる方もいる

それぞれの夜勤を比較してみると

もっとも分かりやすい違いは「身体的負担」です。8時間夜勤は拘束時間が短く負担が少ない傾向にあり、逆に16時間夜勤は長時間にわたる勤務のため負担が大きくなりがちです。

また、シフトの構成も異なり、8時間夜勤は多様な勤務パターンで構成されるのに対し、16時間夜勤はシンプルなパターンが中心となります。

休日に関しては、表面的には8時間夜勤の方が多く見える場合がありますが、実際に働く方の中には、16時間夜勤の方が「まとまった休みが取れる」「しっかり休んだ気になれる」と感じるケースもあります。

このように、夜勤の種類によって身体的・精神的な負担や生活リズムへの影響は大きく異なります。

自身の体調やライフスタイルに合ったシフト形態を選ぶことが、長く無理なく働き続けるための大切なポイントとなるでしょう。

次は、具体的なシフトの組まれ方について、さらに詳しく見ていきましょう。

夜勤のシフト表イメージと特徴の詳細

介護職の夜勤には大きく2種類あり、それぞれシフトの組み方や勤務時間に特徴があります。

ここでは、それぞれの夜勤シフトのパターンと違いについて詳しく解説します。

■ 8時間夜勤の場合

【 シフト表パターンの例 】

• 早番　：　7:00 ～ 16:00
• 日勤　：　9:00 ～ 18:00
• 遅番　：　11:00 ～ 20:00
• 準夜勤：　13:00 ～ 22:00
• 深夜勤：　22:00 ～ 翌7:00

（※夜勤の時間は施設により異なります。施設により0:00に始まるパターンもあり）

8時間夜勤では「準夜勤」と「深夜勤」という2種類の夜勤シフトがあり（呼び方は施設によって異なる場合があります）、勤務開始時間が0時をまたぐかどうかでシフトの見え方が変わります。

• 0時より前に始まる深夜勤の場合、深夜勤の翌日は必ず休日となります。
• 0時以降に始まる場合は、翌日に勤務が入ることもあります。

つまり、夜勤の勤務日として「夜勤開始日の前日」と見なすか「夜勤当日」と見なすかが異なるのです。

ただし、どちらの場合でも夜勤明けの翌日に勤務が入ることがあり、このため「休みが少なく感じる」と感じる方も少なくありません。

■ 16時間夜勤の場合

【 シフト表パターンの一例 】

• 早番　：　7:00 ～ 16:00
• 日勤　：　9:00 ～ 18:00
• 遅番　：　11:00 ～ 20:00
• 夜勤　：　16:00 ～ 翌9:00

16時間夜勤は勤務時間が2日にまたがるため、「夜勤入り」（勤務開始日）と「夜勤明け」（勤務終了日）がはっきりしています。

また、「明け公休」といって、夜勤明けの翌日は必ず休日となるのが特徴です。

夜勤が明けるのが早朝であることから、連休のように休みを感じやすい方も多く、「実際の休みが多い」と感じる場合があります。

一方で、16時間の長時間勤務は身体的な負担が大きく、肉体的な厳しさを感じる方もいます。

まとめ

どちらの夜勤にもメリット・デメリットがあり、身体的負担や休みの感覚、生活リズムへの影響が異なります。

自分の体調や生活スタイルに合った勤務形態を選ぶことが、長く無理なく働き続けるためには重要です。

働くなら夜勤がおすすめ！？

介護職で働く方にとって夜勤があることにはメリットが存在しており、その夜勤の最大の特徴は「夜勤手当」がある事です。

ただ労働基準法で定められてはいないので、実は支払い義務があるものではありません。

しかし22時～翌朝5時に勤務した場合｢深夜手当･深夜割増賃金｣が発生することが法律で定められており、通常賃金の25%以上の割り増し分が加えられる事になります。

また、善意から法律で決められている割り増し分以上の金額を、手当として支払う事業所も多く存在していることが人気の理由です。

それでは、夜勤の手当の相場はどうなっているのでしょうか。

以下に代表的な施設での夜勤手当の平均額をまとめさせていただきました。

【 平均的な夜勤手当金額 】

• グループホーム　　　　　平均 5,360円/回
• ショートスティ　　　　　平均 7,608円/回
• 特別養護老人ホーム　　　平均 6,004円/回
• 介護老人保健施設　　　　平均 7,740円/回
• 小規模多機能型居宅介護　平均 6,543円/回

（※8時間夜勤と16時間夜勤を合わせた平均金額。）

平均的に週1回の夜勤が多いため、おおよそ27,000円ほど月給がアップするのです。

そのため「夜勤に多く入りたい！」など希望者が多く、「夜勤専従」という夜勤専門スタッフの雇用形態も最近では増えてきました。

もちろん収入面だけではなく、介護スキルも向上し自身のキャリアアップにもなります。

ぜひ夜勤を前向きにとらえてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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