転職を考えている皆さん、2024年末から、とある制度が変わることをご存じですか?
それは原則すべての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度が決まりました。
具体的には、2025年度以降は、介護事業者に経営情報について、毎会計年度終了後3ヵ月以内に報告することになります。
これによって転職する介護職の人たちにとって何が変わるのでしょうか?
目次
2024年末から経営情報の報告が義務化!
介護業界での経営事情や倒産件数
転職時に経営状態を把握しておく理由
2024年末から経営情報の報告が義務化!
2025年度以降、介護事業者は経営情報について毎会計年度終了後3ヵ月以内に報告することが決まりました。
これはどういうことなのでしょうか?目的や対象についてご説明します。
・目的:事業所・施設の実態をより詳しく把握できるようにすることです。
例えば3年に1度の介護報酬改定や介護職員の更なる処遇改善など、今後の重点施策の精度向上につなげていく狙いがあります。
・対象となる事業所:対象はすべての介護事業者とされています。
ただ、過去1年の介護報酬が100万円以下の小規模な事業者などは除外される方針で、厚労省は報告の内容について、以下のように4つ、定めています。
①事業所・施設の名称、所在地、その他の基本情報
②事業所・施設の収益、費用の内容
③事業所・施設の職員の職種別人員数、その他の人員に関する事項
④その他必要な事項
となっています。
介護業界での経営事情や倒産件数
介護業界での経営状態は一般的にどのようになっているのでしょうか。
2023年「老人福祉・介護事業」の倒産、休廃業・解散調査昨今の介護紹介は、コロナ禍による利用控え、物価高騰などで、2022年を抜いて過去最多になりました。
さらに、2023年の介護事業者の倒産件数は122件となり、2022年の倒産件数の143件に次いで、過去2番目に多い倒産件数となりました。
また倒産以外に事業を停止した介護事業者の休廃業や解散件数は510件にも上り2022年の休廃業・解散件数である495件を抜いて過去最多となりました。
近年は、2010年の調査開始以来、直近2年の間では最多を更新している状況となり、2023年は倒産件数と合わせると、630件以上もの介護事業者が事業を辞めている状況となっています。
※出典:東京商工リサーチ
このように社会情勢的に非常に厳しいと言わざるを得ない介護業界の中で経営事情について報告することが義務化することがどんな意味を成すのでしょうか?
転職時に経営状態を把握しておく理由
上記のように介護業界での倒産は過去類を見ないものとなっています。
原因としてあげられるものとして
①業界の状況がよくわからないまま参入してしまう事業所
②思ったように経営ができない事業所も出ています。
③経営層の高齢化で事業を任せられる後継者がいない。
など、様々な理由があるとされています。
過去類を見ない介護業界の倒産が続いている昨今においては、求人情報を見て転職先を探す方にとって、キラキラと華やかそう、条件がよさそうな求人であっても、実際にその施設がどのような経営状況にあるのか、知ることができるようになったことは、転職を考えている介護業界の人にとっては有利となります。
では、転職を考えている介護職の人にとってどういった状況を把握する必要があるのでしょうか?
大事なのは、健全な運営ができており、債務超過などがないかです。
これらは転職エージェントを通して知ることができます。ぜひ聞きにくいこれらの情報を手に入れて有利に転職を進めましょう。