介護職のお仕事をされている皆様は日々目の回るような忙しさの中でご利用者さま様の尊厳を尊重しながら勤務されていることと思います。
そんな介護のお仕事で活躍される人は求人票などで【身体介護】【生活援助】の言葉を目にすることもあるかと思います。
実際に仕事をする中でも「これってどっち?」という疑問にぶつかることはないでしょうか。
仕事をするうえではこの2つの違いを知ることが大切です。本記事ではこの2つの仕事内容の違いを紹介していきます。
目次
身体介護と生活援助の違い
「身体介護」「生活援助」の具体的なケア内容
まとめ
身体介護と生活援助の違い
身体介護と生活援助の主な対象者は、介護保険を利用している要介護者・要支援者の方々です。
そんな対象者に対して介護士が行う業務は大きく分けて大きく2つあります。
タイトルにもある「身体介護」と「生活援助」です。
「身体介護」
身体的な介助を中心に行うもので、日常生活に必要な動作(ADL)を援助するサービスのことを指します。
主に食事、着替え、排泄などの身の回りの生活や、基本動作である寝返りや起き上がり、立ち上がり、歩行などの介助を行います。
「生活援助」
身体的な介助以外の家事や炊事などの日常生活(IADL)を援助するサービスのことを指します。
主に、本人や家族が困難な掃除や洗濯、調理、買い物などの一連の行為をサポートします。
身体介護と生活援助の大きな違いは、ご利用者さまのからだに直接触れるかどうかの違いです。
同じ見守りでも、調理や掃除をしながら見守る生活援助とは違い、身体介護はいつでも介護できる状況下で見守る必要があります。
「身体介護」「生活援助」の具体的なケア内容
身体介護と生活援助の具体的な支援内容について説明していきます。
まず、身体介護の仕事内容は、大きく分類すると以下の10つがあります。
①食事介助:嚥下障害の方への流動食の調理、食事環境のセッティング
②排泄介助:トイレへの移乗、オムツ交換などの介助
③入浴介助(清拭介助):シャワー浴、清拭、洗髪などの介助
④更衣介助:下着、衣類の着脱介助
⑤整容介助:歯磨き、うがい、手足の爪きり、耳そうじなどの介助
⑥移乗介助:ベッド、車椅子、車などの移乗の介助
⑦移動介助:杖歩行、車椅子などの移動の介助
⑧体位変換介助:安楽姿勢や褥瘡予防のための寝返りの介助
⑨服薬介助:服薬の準備や確認
⑩通院・外出介助:通院、日用品の買い物などでの外出介助
次に生活援助の仕事内容は、大きく分類すると以下の8つがあります。
①掃除:リビング、寝室、浴室、トイレなどの日常生活で必要となる部屋の掃除。
②洗濯:洗濯、洗濯物干し、アイロンがけ
③ベッドメイク:本人が使用している布団のシーツ、布団カバーの準備や交換
④衣服の整理・被服の補修:下着や衣類の出し入れ、ボタンなどの補正
⑤調理、配下膳:調理、食事の準備、下膳・配膳
⑥買い物:日用品や食材などの買い物
⑦薬の受け取り:本人が処方をされた薬の受け取り
⑧ゴミ出し:所定のゴミ収集場所へのゴミ出し
上記のように、さまざまな内容があり、行う仕事の内容に違いがあります。
まとめ
介護業務を行う上では欠かせない知識であるの身体介護と生活援助の違いについて解説しました。
繰り返しになりますが身体介護と生活援助の大きな違いは「ご利用者さまの身体に触れて行うサービスかどうか」という点です。
介護の仕事は、持っている資格によってもできる仕事内容が異なります。
生活援助のみの業務という観点であれば、無資格、未経験でも働くことができます。
ただしそれは老人ホームのような介護施設内においてや、同行して生活援助のみを補助で行うパート勤務であるなど、業務が限定されている場合においてのみです。
訪問介護では、単独で介護サービスを行うのに加え、基本的に身体介助を伴います。
そのため介護職員初任者研修などの介護資格が必要になります。
これらの知識をよく自分自身で理解したうえで自分のやりたい介護や勤務先を選んでくださいね。