正社員として勤務していたら誰もが気になる退職金制度。
退職金と年金制度は老後の生活を支える2大柱とも呼ばれており、誰にとっても大切な制度です。
今回は退職金とはそもそも何なのか、退職金の種類、そして退職金にまつわる注意点まで説明します。
ぜひ退職金についての知識を手に入れて賢い転職活動を行っていきましょう。
目次
そもそも退職金とは
退職金の種類
転職時の注意点を解説
そもそも退職金とは
退職金というのは退職した労働者に対し支払われる金銭のことを指しますが、その条件等は様々です。
実は日本の法律では企業に対して退職金について必ず払うべきということは定められていません。
令和5年の厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、退職金制度がある企業は全産業平均では74.9%でした。
気になる医療・福祉分野はどうかというと、退職金制度がある法人の割合は75.5%という結果でほぼ同様の割合で退職金制度があることがわかります。
退職金を貰えるかどうかは、勤務している特養や老健などの施設ごとの就業規則(退職金規程)や労働協約で定められているかにより違います。
また、退職金の支給条件も一律に定められているわけではなく、勤めている施設や法人によって異なります。
一般的には「〇年以上勤務した常勤の者」といったように、勤続年数や雇用形態を条件にしているケースが多いです。
また、気になる金額の相場は勤続5年で約50~150万円、勤続15年では約80万円~600万円と大きなばらつきがあります。
退職金の種類
退職金には大きく分けて「退職一時金」と「企業年金」の2種類に分けることができます。
厚生労働省によると「退職一時金制度のみ」を採用している施設は約87%となっており、最も一般的な制度といえます。
ただし、「退職一時金」と「企業年金」を併用している施設は約11%あります。
また、従業員が希望する制度を選ぶことができる法人もあります。
では2つの違いについて説明していきましょう。
「退職一時金制度」
法人の内部に積み立てた退職金を、退職時に一括で法人から支給される制度のことです。
毎月の給与から控除され、積み立てられた中から受給要件を満たした退職者に対して退職金が支払われる法人独自の退職金制度や、社外で積み立てた掛け金を、退職時に職員が退職金として受け取れる制度である退職金共済制度などが挙げられます。
「企業年金」
企業年金として一括または分割で支払われる制度です。
外部に掛金を拠出することで積み立てておき、従業員が退職したあと、一定期間に渡って運用実績に応じた額が年金として支給される確定拠出年金制度、外部に掛金を拠出することで積み立てておき、従業員が退職したあと、一定期間に渡って一定額が年金として支給される制度確定給付企業年金制度などがあります。
転職時の注意点を解説
どうせ同じように働くのであれば「退職金をもらえる法人さんで長期的に働きたい!」そう思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その際の注意点についてまとめましたので、以下のような点に注意をして探してみてください。
・求人票に記載している退職金有無の確認をする
ほとんどの求人票には福利厚生、給与欄をチェックすると退職金有無が記載されていますので、そこをチェックしましょう。
記載されていなかった場合、面接で退職金制度について尋ねつつ、働きたい意欲をしっかり伝えると良いかもしれません。
・長期的に働ける職場を探す
退職金は勤続年数が長ければ長いほど、高くなっていきます。
そのため、自分に合った働きやすい環境や条件を事前にしっかり確認をするといいでしょう。
上記のように、ポイントを押さえ、老後に備える意味でも、退職金制度について学んでおくと良いでしょう。