アセスメントという言葉を知っていますか?
アセスメントとは「人やものごとを客観的に評価・分析すること」を意味する言葉です。
アセスメントの目的は、状況を正しく評価・分析することで、適切な対応をとること。
医療・看護では日常的に使われており、また環境に影響のある大規模な建設プロジェクト、人材マネジメントなどさまざまな業界やシーンで幅広く活用されているアセスメント。
それでは介護現場におけるアセスメントとはどのような意味・目的・活用のポイントがあるのでしょうか。
今回の記事では具体的なアセスメントシートも紹介します。ぜひ活用してみてください。
目次
アセスメントとは
アセスメントのポイント
アセスメントシートの記載方法
アセスメントとは
介護におけるアセスメントとは、ご利用者さまの状態や取り巻く状況に関する情報を収集・分析し、ご利用者さまが求めていることや解決すべき課題を明確にするために行う評価や査定のことを指します。
特に介護福祉アセスメントでは、ご利用者さまの身体機能だけでなく価値観や考え方も含め、人間像全体を捉えなければなりません。
ご利用者さまやご家族が
①「何に対して困っているのか」
②「何を希望してきるのか」
③「本当に必要なサービスは何か」
をきちんとアセスメントし、分析することで良質な介護提供、ご利用者さまのQOLの向上に繋がります。
アセスメントは、基本的にサービスの利用を開始する前など、ケアプランを作成するケアマネジャーによって実施されます。
施設・事業所によっては、ケアマネジャー以外の介護職員がアセスメントを実施する場合もあります。つまり介護職で働く方であれば、誰でもアセスメントを実施する可能性があるため、アセスメントについて学ぶ必要があるのです。
アセスメントのポイント
介護現場におけるアセスメントのポイントは4つあります。
①事前準備を行う
ご利用者さまの生活環境や身体状況を事前に情報を整理することで、適切な質問ができご利用者さまやご家族の困りごとや要望が引き出しやすくなります。
ご利用者さまの基本情報や生活歴、病歴、家族構成などの情報を、事前にまとめ整理しておくことが大切です。
②目標や要望を明らかにする
ご利用者さまとご家族の目標や要望を聞くことで、具体的な解決方法を見出し良質な介護が提供できます。
現在の状況を理解し、できることとできないことを把握したうえで一緒に目標へ向かっていくという姿勢が大事です。
③多職種と連携する
目標や要望を一緒に達成するためには、多角的な意見と専門的な知識が必要です。
多職種と連携し情報交換を行うことで様々な視点が入るので、選択肢の幅が広がりより良い解決方法が見出せます。
④アセスメントシートを活用する
アセスメントシートとは、アセスメントで聞き取った内容をまとめるためのツールです。
事業所ごとにフォーマットが決まっており、その内容を元にケアプランが作成されます。
アセスメントシート例については次の項でご紹介します。
アセスメントシートの記載方法
アセスメントシートは主に7つの様式があり、基本情報9項目と課題分析に関する14項目をあわせた23項目は必ず記載することで独自のフォーマット作成が認められます。
●基本情報に関する項目
①基本情報
②これまでの生活と現在の状況
③利用者の社会保障制度の利用情報
④現在利用している支援や社会資源の状況
⑤日常生活自立度(障害)
⑥日常生活自立度(認知症)
⑦主訴・意向
⑧認定情報
⑨課題分析(アセスメント)の理由
●課題分析(アセスメント)に関する項目
⑩健康状態
⑪ADL
⑫IADL
⑬認知機能や判断能力
⑭コミュニケーションにおける理解と表出の状況
⑮生活リズム
⑯排泄の状況
⑰清潔の保持に関する状況
⑱口腔内の状況
⑲食事摂取の状況
⑳社会との関わり
㉑家族等の状況
㉒居住環境
㉓その他留意すべき事項・状況基本情報(受付、利用者等基本情報)生活状況
アセスメントシートは基本的にケアマネジャーが行い、 ご利用者さまからヒアリングした内容をまとめるためにあります。
そして、ご利用者さまの心身の状態、現在の日常生活の状況、そのご家族が置かれている環境などを明確にするための重要な書類です。
介護現場におけるアセスメントを行うことで、ご利用者さまやご家族に質の高いサービスの提供が出来ると良いですね。