介護現場でトラブルが起こったとき、どのように対応すれば良いのか分からず、スムーズに問題を解決できない場面に遭遇することはありませんか?
アドバイスをする人がアドバイスをもらう人に対し、定期的に指導をを行うことを「スーパービジョン」と呼びます。
今回はこのスーパービジョンについて説明し、介護の現場での活用について考えていきたいと思います。
目次
スーパービジョン・スーパーバイザーとは
スーパービジョンの種類
進め方とポイント
スーパービジョン・スーパーバイザーとは
スーパービジョン(supervision)とは、介護業界において新人職員(スーパーバイジー)が施設長・管理者等の指導者(スーパーバイザー)から教育・指導を受ける過程を指します。
スーパービジョンを「SV」と略して表現したり、日本語で「対人援助者監督指導」と表現することもあります。
支援対象と自分の間で行き詰まっている問題を、第三者の視点から見てもらうことで解決の糸口を探すのが主な目的です。
日々利用者と向き合うことで悩みや葛藤を抱えがちな介護職員は多いのではないでしょうか。
そんなとき、新たな気付きが得られ自身の成長を促してくれるのがスーパービジョンです。
スーパービジョン実施時に、指導者の役割を担うスーパーバイザーは、施設長・リーダー・教育担当者・外部コンサルタント講師などになります。
課題に対してアドバイスしたり、定期的に面談してメンタル面をフォローしたりすることが役割です。
スーパービジョンの種類
スーパービジョンの種類は大きく分けて4種類ありますので、1つ1つしっかり説明していきます。
①個人スーパービジョン
スーパーバイザー(管理者等)とスーパーバイジー(新人職員)が1対1で行うスーパービジョン。
簡単に言うと面談です。個別の案件を検討するのに適しているといわれています。
②集団スーパービジョン
研修時などのグループで指導を行うスーパービジョンのことです。
他の人の意見を聞くことで、さまざまな角度からの相談・助言が得られ、スーパーバイジーが問題点に対して客観的に考えることができるといわれています。
③ピアスーパービジョン
上下関係のない同僚がスーパーバイザーとなり行うスーパービジョンのことでお互いに教育効果が期待できると言われています。
④ライブスーパービジョン
現場にスーパーバイザーが同席してその場で実施したり、録音や録画を通して研修を行うスーパービジョンで、質問や困ったことにリアルタイムで答えてもらえる点が特徴的です。
進め方とポイント
スーパービジョンは1年かけて行っていきますが、その手順について具体的に説明していきます。
①準備
スーパービジョンを始める前に、スーパーバイジーに現在の自分の状況を自己判断してもらいましょう。
どんなことに悩み、どんな課題を感じているのかを確認します。
②実施
3つのステップを繰り返していきます。
・課題の抽出
スーパーバイジーがあらかじめ自己診断した課題を話してもらいます。
・面談
どのように解決していくのがよいか面談します。スーパーバイザーは気づきを促すように関わり、面談の最後に解決策に導くポイントを伝えておきます。
・実施
仕事に活かすことができているのかを見守るというステップを数ヶ月ごとに繰り返します。
③総評
おおよそ1年で総評を行い、スーパーバイジーの成長を確認しましょう。
次につながるまとめをすることも大切です。
介護におけるスーパービジョンを適切に活用することで人材育成はもちろん、離職防止にもつながるでしょう。
まずはスーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係を良好にすることが最優先です。
介護の現場では人材不足と言われ、今現場で働いている職員の皆さんがより良い環境で仕事をして離職しない環境づくりを目指していけると良いですね。
スーパービジョンを活用しながら、よい介護現場をつくっていきましょう。