2024年度は介護報酬改定(3年に一度)がおこなわれます。
今回は介護報酬・診療報酬・障害福祉サービス等報酬改定が同時に発生するトリプル改定の年となり、非常に注目されています。
各サービス毎の改定や現場レベルではどのような影響が考えられるのか、現在の課題と今後想定される変化についてみていきましょう。
目次
・介護報酬改定とは
・介護報酬の改定について
・改定後の見通し
介護報酬改定とは
介護報酬改定という言葉について、聞いたことはあるけれど実際にどんな改定なのか知っている人は少ないかもしれません。
介護保険制度改定には多くの改定ポイントがあるため確認しておきましょう。
介護報酬改定とは通常3年ごとに実施される介護保険サービスを提供する事業者への報酬の改定を指します。
社会や経済の変化に対応しながら介護保険制度を持続可能なものにするために、報酬体系のほかサービス内容の見直しもおこない、サービスの質の向上や適切な運営を促進します。
また、2024年はトリプル改定の年のため、介護報酬、診療報酬、障害福祉サービス等報酬の3つが同時に改定されます。
また団塊世代が75歳以上になる2025年問題の前に行われる最後の改定となり、内容が非常に注目されておりました。
介護業界で長く問題となっている人手不足の解消につなげたい介護業界において、2024年4月には訪問看護、訪問・通所リハが、同年6月居宅療養管理指導は6月に施行が確定しました。
(診療報酬改定との兼ね合いを加味して、6月に後ろ倒しされています。)
・介護報酬の改定について
介護報酬の改定率は+1.59%(※1)になる事が公表され、外枠の処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や、光熱水費の基準費用額アップによる施設の増収を加えると、+2.04%程度、現場で働く方の処遇が改善されることになりました。
※1、内訳 介護職員の処遇改善分「+ 0.98%」、その他の改定率「+ 0.61%」
また、今回の改定に合わせて行われた改定の議論では、様々なポイントについて話し合われており
・自立支援・重度化防止に向けた取り組み
・制度の安定性・持続可能性の確保
・良質な介護サービスの効率的な提供に向けた介護現場の働きやすい職場づくり
・地域包括ケアシステムの更なる深化・推進
など、様々な角度から現場の負担改善や取り組みの強化を意図して改定が行われております。
その他にもICT活用など生産性向上に先進的に取り組む特定施設の人員基準は3.3対1を上限に特例的な緩和を認めるなど、現場の改善をもとに一部の緩和にも踏み切っています。
今回の改定が今後にどう影響するのか、注目されています。
改定後の見通し
介護報酬改定の今後について、どうなっていくかみてみましょう。
結論として介護業界全体の給与アップが見込まれ、人材確保や定着がこれまでより進められる見込みです。
改定率「+ 1.59%」のうち「+ 0.98%」が介護職員の処遇改善などに充てられるためです。
2021年度の介護報酬改定での介護報酬の改定率は「+ 0.7%」でした。具体的な金額で示すと常勤の介護職員の平均給与は、前年と比べて7,380円上がり、非常勤の介護職員の平均給与は3,150円アップしました。
今回の改定率は「+1.59%」なので、前回以上の給与アップが見込まれます。
次に基本報酬の改定についてみてみましょう。
訪問介護のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、介護予防訪問リハビリテーションを除き、各サービスはプラスとなっています。
訪問介護などに関しては、人件費が7割を占めているため、処遇改善を最優先とし、処遇改善加算の加算率を最も高い加算率にする事でバランスを取られた形です。
これらの傾向から、今後、介護業界全体の給与アップが更に見込まれ、他業界から人の流入がされやすい状況へと変化していくことが予想されます。
ただ処遇改善手当に関しては、施設により金額が違う等、実際にどこまで現場のお給料に反映されているのか判断しずらいという問題もあります。
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