“シルバー人材センター”は、60歳以上の高齢者を対象にサービスを提供し、地域の活性化に貢献する活動をおこなっている事業所です。高齢になっても社会に参加し、就業したいという要望から生まれたこの施設で介護士が働く形も見てみましょう。
目次
- シルバー人材センターで働く際の収入は?
- シルバー人材ではどんな仕事があるの?
- シルバー人材センターに登録するには?
- シルバー人材センターで地域の活性化に貢献し、生きがいのある生活を
シルバー人材センターとは?
“シルバー人材センター”とは定年退職した方などを対象に、ライフスタイルに合わせた臨時的・短期的なサービスを提供することで高齢者の就業や社会参加をうながし、地域社会の福祉の充実と地域の活性化に貢献する活動を行っている事業所です。
社会の高齢化が進む中で、高齢になっても有意義で健康的に過ごすために就業し続けたいという希望があったことを背景に、昭和50年(1975年)、東京で創設された「高齢者事業団」が前身となっています。
昭和55年(1980年)には、国の補助事業として各市町村で設立が進められ、情報交換・経験交流等を図ることを目的に、全国組織である「全国高齢者事業団・シルバー人材センター等連絡協議会」が同年12月に発足しています。
「全国高齢者事業団・シルバー人材センター等連絡協議会」は、平成24年(2012年)に「公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会」とその名称を改め、運営されています。
現在、シルバー人材センターは、「自主・自立、共同・共助」という理念のもと、「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、都道府県知事の指定を受けた公益法人として運営されています。
高齢者が増え続けている一方で、企業の定年が65歳に延長されるなど、シルバー人材センターに登録する方の数が伸び悩んでいるとされていますが、全国シルバー人材センターの発表によると、平成28年度における全国の団体数は1,323、加入会員数は718,375名(男性481,247名、女性237,128名)となっています。
(参考:http://www.zsjc.or.jp/toukei/toukei_pdf?id=11)
(引用:全国シルバー人材センター http://www.zsjc.or.jp/about/about_02.html)
シルバー人材センターで働く際の収入は?
シルバー人材センターに登録し、働く際の雇用形態は、請負や委任となります。
また、ローテーションを組むことで、登録している方が公平に就業することができるようなシステムとなっていますが、就業日数や収入の保障があるわけではありません。
だいたいの目安として、8日から10日の就労で、3万円から5万円程度の収入があるところが多いようです。
シルバー人材センターで働いていても、年金を受け取ることは可能ですが、シルバー人材センターで働いたことによる収入は雑所得となるため、確定申告が必要となる場合もあります。シルバー人材センターの会員となる事によって、収入を得ることができるほか、指定宿泊施設の割引特典を利用することができるなどの特典も。
会員同士の親睦を深めるために旅行を行っているセンターや、ボランティア活動やサークル活動、そして、地域のお祭りへの参加などといった活動を行っているところもあるため、会員登録した後に、シルバー人材センターが独自で行っている活動に参加して、他の人との交流を広めるのもオススメです。
シルバー人材ではどんな仕事があるの?
一般家庭や事業所・官公庁等から依頼された「臨時的・短期的」な仕事を行うシルバー人材センター。
いったいどのような仕事があるのかについて、見てきましょう。
一般作業分野
一般作業分野の仕事として、
- 草刈りや除草
- 種まきや水やり、収穫といった農作業
- 屋外・屋内清掃
- 荷造り・運搬
- エアコン・換気扇の清掃
- 皿洗いや配膳などの調理
- 封入・袋詰めといった包装・梱包
- チラシ・ビラ配り
などがあります。
屋内・屋外のさまざまな業務を行っているということがいえます。
サービス分野
サービス分野の仕事には
- 掃除や洗濯、留守番といった家事サービス
- 子守や送迎などの育児サービス
- 介助など、身の回りの世話を行う福祉サービス
- 観光ガイド
などがあります。
専門技術分野
専門技術分野の仕事として
- 家庭教師
- パソコン教室の講師
- 学習教室の講師
- 翻訳・通訳
- 経理事務
などがあります。
技能分野
技能分野の仕事には
- 庭木の剪定
- 障子やふすま・網戸の張替
- 大工仕事
- 刃物研ぎ
- ペンキ塗り
- 衣類のリフォーム
- 和裁・洋裁
- 門松・しめ縄づくり
などがあります。
管理分野
管理分野の仕事には
- ビル・マンションの管理
- 遊戯施設などの施設管理
- 駐車場・駐輪場の管理
などがあります。
事務分野
事務分野の仕事には
- 一般事務
- 経理事務
- 調査・集計事務
- パソコン入力
- 筆耕・あて名書き
などがあります。
折衝・外交分野
折衝・外交分野の仕事には
- 営業
- 集金
- 電気・ガスの検針
- 配達・集配
- 販売員・店番
- チラシ・パンフレットの配布
などがあります。
(参考:http://www.zsjc.or.jp/about/about_06.html)
センターに登録している会員1人1人の技術や希望に応じて、経験が無くても行うことができる簡易な仕事から、専門的な技術が必要となる仕事まで、さまざまな仕事をすることができるようになっています。
ただし、すべての分野の仕事が常時あるわけではなく、住んでいる市区町村にあるシルバー人材センターによって、対応している仕事に違いがあります。
また、介護など、何らかの資格が必要な仕事をしたいという希望がある場合、講習会を行っているシルバー人材センターもあるようです。
登録したのちにどんな仕事をすることができるのかは、各市区町村のシルバー人材センターに問い合わせして、確認されるのがおすすめです。
http://www.zsjc.or.jp/center/anatano
シルバー人材センターに登録するには?
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会の規定では、入会するためには
- 原則60歳以上、健康で働く意欲のある方
- シルバー人材センターの趣旨に賛同できる方
- 入会説明を受けて、入会申込書を提出した方
- 会費を納入できる方
などの条件をクリアする必要があるとされています。
入会説明会に参加した後に、申し込み、会員登録ができる流れとなっているので、登録を希望する際には、入会説明会が開催されている日時などについて、住んでいる地域のシルバー人材センターに電話でお問い合わせされるといいですよ。
シルバー人材センターに登録すると、年会費を修める必要があります。
年会費は、センターごとにその金額に違いがあるようですが、年間600円から3,000円程度となっているようです。
シルバー人材センターで地域の活性化に貢献し、生きがいのある生活を
原則として60歳以上で、健康な方なら誰でも登録することができるシルバー人材センター。
センターでは、草刈りや清掃などの軽作業をはじめ、育児や介護まで、さまざまな分野の仕事をすることができるので、これまでの経験や技術を生かして活躍することはもちろん、就業以外にも、他の会員の方との交流を深めることができる活動を行っているなど、年齢を重ねて交流が少なくなったという方の悩みを解決することもできます。
高齢となっても、地域の活性化に貢献し、生きがいのある生活を送りたいという方、ぜひ登録してみてはいかがでしょうか?