介護士が参加すべき会議は、朝夕の申し送りを含め、様々あります。
介護現場で働くのは得意だけど、会議となると、うまく発言できず、効率的な運営ができない介護士も見受けられます。
そこで今回は、各会議がどんなものであり、またどのように開催されるべきなのかを明記していきます。
目次
- 会議の種類ってどんなものがあるの?
- 1.申し送り
- 2.フロア会議
- 3.職員会議
- 実際の会議はどんな感じに行われている?
- 会議はどのように参加・運営すると良いか?
- 1.決めっぱなしを防ぎ、定期的に確認すること
- まとめ
会議の種類ってどんなものがあるの?
会議と聞くと苦手と思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
何とか会議を逃れようと考えることもあるかもしれません。
会議中に指されないようにとひたすら心配しているかもしれません。
介護士の方で上記のような方は割と多いと思います。
それは介護士は普段、現場でバリバリと業務をこなす仕事であるため、会議のやり方を分からないまま、ここまできてしまっている場合があるからです。
そこで各種会議の種類や特徴を押さえてみようと思います。
申し送り会議とまでは言わないかもしれませんが、重要なものとして、毎日の朝と夕方に行われる「申し送り」があります。
朝の申し送りは参加人数も多く、幹部職員が参加することも珍しいことではないので、緊張感ある雰囲気となることもあります。
朝の申し送りは、夜勤者が早番者、日勤者へ夜間の利用者の様子を申し送るのが主な役割です。利用者の情報を正確に伝えて、当日に勤務する職員がその日にすべきことを把握する上で重要な内容です。
時間も限られていますので、核心的に分かりやすく伝えることがポイントです。
夕方の申し送りは、夜勤をする職員へ日中の利用者の様子を申し送るものです。
フロア会議介護士が所属するセクションでの会議をフロア会議といいます。
セクションに所属する利用者に関しての話し合いや効率的なフロア運営や現状の問題点を話し合います。
自分の所属する最小単位の会議であり、自分の意見が業務マニュアルを変えることもある重要な会議です。
職員会議参加可能な職員が全て参加するのが職員会議というものです。
全体会議といった方が分かりやすいかもしれません。
利用者を見守る最低限の職員をフロアに残し、後の職員は会議へ参加します。
施設運営の方向性や重要な案件を話し合うため、幹部職員も参加しますし、休日でも出勤して参加する職員もいます。
会議の中でも特に緊張が高まる会議でもあります。
参加人数が多いため、空気も重くなりやすく、扱うテーマもどれも大切なものですので、意見が言いづらいと感じる職員もいると思います。
会議では今の施設の問題点や施設のありのままの現状や公には言うことができない経営者側の思惑なども分かるため、勉強になることは多いです。
役職を持たない介護士が参加する会議は主に上記3つと自分が担当している委員会の会議です。
委員会とは、清掃委員会、行事委員会、運動委員会など利用者が施設で充実した生活を送ったり、施設運営を良くするために行う職員の活動です。
他には、リーダー会議、主任会議、管理職会議、医務会議、給食会議、サービス担当者会議、入退所検討会議、自宅復帰アセスメント会議などがあります。
施設によっては他にも会議があります。
実際の会議はどんな感じに行われている?
限られた時間の中で意識高く、充実した会議が行われている場合もありますが、実際はその反対という場合も多いのではないでしょうか。
課題に対して話し合いで解決していくことが会議開催の重要な目的なわけですが、実際はただの情報共有で終わっている場合も多く見らえます。
もちろん、情報共有も重要な会議も目的でもあります。
しかし、情報共有は毎日の申し送りでも行われているため、やはり会議では各自困っていることや利用者の体調の変化などを議題としてあげ、有効な対策を練るというのが効果的な時間の使い方です。
具体的に見ていくと以下のような状況が会議の現状のようです。
①全員参加の職員会議でも集まりが悪い。利用者の見守りを希望する職員が多く、充分な参加者が集まらない。
②幹部職員や一部の役職者だけが発言し、一般職員はうなづいているだけのことが多い。
③話の内容が別の話題に移り易く、収拾がつかない。結果、何も決まらず終わってしまう。
④やっと会議で決まったことも職員の中に広まらず、中途半端で終わる。結果的に現場に浸透せず、昔のやり方のまま業務が行われている。
全ての会議で毎回こういうわけではないでしょうが、このような会議が多いのも事実です。
会議はどのように参加・運営すると良いか?
主催者側は会議に目的をもって開くことが重要です。会議は定期的に行われるものでもあるので、会議を開くこと自体が目的となっており、話し合うべき議題もあまり見つからない状況でも開かれている場合もあります。
主催者はまず何を話すのか明確にしてから会議を開くべきです。
そして、課題に対して、具体的な対策が決まるように会議を導くべきであって、ダラダラとした話し合いや本筋から脱線した話だけで終わる時間にしてはいけません。
全ての職員が特に気を付けないといけないのは、今話し合うべきことでないことは話さないことです。
会議の議題は時々脱線し、今言わなくて良いことにも発言が及び、結果的に何について話しているか分からなくなりがちです。
これでは効率的な会議はできないしですし、せっかくの時間を有効活用できません。
決めっぱなしを防ぎ、定期的に確認すること会議で物事を決めたはいいが、実務でどのように進行しているのか、追わずに放置されるケースもよく見受けられます。
そうなると、職員は会議で決めたことに意味を持てません。
時間を使って物事を話し合っても、実務面でその話し合いが活用されないと分かっているため、会議に熱を入れることができないのです。
営利企業は弱肉強食の市場原理の中で厳しい戦いを強いられています。
そのため、会議の場は戦略立案の重要な場であります。
一方で、福祉業界も弱肉強食の世界ではありますが、現場で働く介護士は目の前の高齢者を支えることが仕事であり、そこに営業のノルマ的要素は含みません。
施設の経営を考えながら介護を行うわけでもなく、営業の数字のプレッシャーを持つわけでもありません。
よって、会議にそこまで必要性を感じていない場合もあります。
そのような意識が決定事項を放置し、実務面で活かせない原因にもなっています。
そのため、会議での決定事項はどの程度、仕事上で実現されているのか、定期的に確認する必要があります。
それにより、職員も良い意味での緊張感を持ちながら、会議に参加することができます。
まとめ
会議はビジネスの過程において洗練されていくものであるということが言えそうです。
高齢者介護の質を上げることで施設の収入が特別に増えるわけでもないので、介護士としてはそこまで会議のモチベーションは上がらないかもしれません。
もともと、会議に慣れていない職員が嫌々参加していても、会議は効果的に行われません。
主催者が明確な目的をもって臨み、参加者にはしっかり会議内容を実践してもらうような仕組みをつくることが会議の意味を成す有効な策の一つと言えそうです。