オランダが発祥の「認知症カフェ」が、日本でもじわじわと浸透しているようです。
いったいどんなものなのでしょうか。
目次
- 認知症カフェって?
- 近くで実施されている認知症カフェを調べてみよう
1997年にオランダでスタートされた「認知症カフェ」。日本では「オレンジカフェ」や「もの忘れカフェ」など、さまざまな呼称で親しまれ、2015年末には全国に600ヵ所の開設を掲げるほどの広がりをみせています。認知症カフェとはいったい何をするところなのでしょうか。解説します。
認知症カフェって?
認知症カフェとは、認知症の高齢者の方やその家族、知人、そのほか認知症に関心がある方などが集まり、気軽に交流をはかることを目的に運営されている場所のこと。
カフェといっても通常のカフェとは異なり、月に数回のイベントとして開催されるのが一般的です。
開催場所も、主催者の自宅や、地域のコミュニティスペースなどで行われることが多く、カフェというよりはお茶会に近いイメージかもしれません。
認知症カフェでは何をするの?
認知症カフェは、通常のカフェのようにコーヒーや紅茶を楽しみながら会話を楽しむことを目的としている場所です。
認知症を抱えている方やそのご家族が、悩みを打ち明けあったり、情報交換を行ったり…と活用されています。
また、医師や看護師、介護ケアスタッフなどがいる場合は、ケア方法や対処方法などを相談をすることも可能です。
カフェによっては、茶菓子や軽食の提供を行っているところもありますし、認知症の方が調理を行ったり、スタッフとしてコーヒーを運んだりすることもあります。
認知症カフェの役割
認知症になると、外出先で迷子になってしまったり、落とし物をして人に迷惑をかけてしまったり…と、外出する自信をなくしてしまうケースがあります。
特に外出時の失敗経験を持つ方の場合、外出を拒否し、閉じこもりがちになってしまうことが少なくありません。
認知症を抱える方でも気軽に外出できる場所をつくることが、認知症カフェの役割です。
また認知症の方だけではなくそのご家族も一緒にカフェで交流を行うことで、同じ悩みを共有しながら助け合える環境づくりにもつながっています。
認知症カフェのメリット
認知症カフェに通うことで、次のようなメリットがあります。
- 同じ境遇の人と本音で話せ、友人や仲間ができる
- 認知症に関する情報を共有できる
- 心理的な不安が軽減する
- 娯楽や趣味の発見ができる
- 地域や社会との関わりが持てる
- 医師、看護師、ケアマネジャーなど、専門家との繋がりを持てる
- 各種病気の早期発見と診断
- たくさんの人と話すことで認知症の進行を遅らせる
認知症を抱える方の多くには、認知症であることを隠したがったり、認知症を打ち明けることを難しく感じてしまう方が実は少なくありません。
ですが、認知症を抱える方同士であれば、打ち明けるハードルはぐっと下がります。
交流をすることで自分の居場所を見つけたり、スタッフとしてカフェの営業を手伝うことで、社会的存在意義を感じたり…と、認知症カフェにはさまざまな魅力があります。
近くで実施されている認知症カフェを調べてみよう
今後も増え続けるといわれている認知症高齢者。
認知症の方やその家族が気軽に交流を図れる認知症カフェのニーズは、これからもますます高まっていきそうです。
認知症を抱えても暮らし続けることができる地域づくりには、周囲が認知症を理解し、助け合える環境が不可欠。
これからも認知症カフェが増え、より多くの方が認知症に対する理解を深めていけるよう期待したいですね。