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介護士は男性も寿退社がある!?介護業界と家庭を持つことの影響度

介護士は男性も寿退社がある!?介護業界と家庭を持つことの影響度

結婚を機に勤めていた会社を辞める女性はいますが、男性が結婚を機に職場を辞めたという話はあまり聞きません。

しかし、福祉業界においては男性が寿退社する場合があります。

今回は福祉業界特有の男性介護士の寿退社についてまとめていきます。


目次

  1. 男性介護士が寿退社って本当?
  2. 寿退社せざるを得ない原因
  3. 仕事を続ける男性介護士も多数
  4. 夫婦で同じ施設で働くと優遇してもらえる場合がある
  5. やりがいのある介護士を続けたい
  6. まとめ


男性介護士が寿退社って本当?

介護業界では同じ施設の介護士と結婚するという話はよく聞きます。

結婚すると、寿退社をする人や住居が変わる人が多いため、新居から通いやすい事業所に転職する人も多いです。


介護士においては、結婚を機に退職する男性が一定数存在しています。

これは女性のように通勤の都合を考えての引越しによる退職ではばく、多くは経済的に将来の見通しが立たないために退職せざるを得ないというものです。


福祉業界で職場結婚の場合、高い役職を持っていない限り、男女の年収にそこまでの違いは起こりにくいといえます。

福祉業界の平均年収は約310万円ですから、夫婦で介護士をしているとすると、二人合わせて年収は約620万円と言えます。

世帯収入として考えたら、年収620万円は決して悪い数字ではありません。それなのになぜ男性が寿退社を選んでいくのでしょうか。


寿退社せざるを得ない原因

福祉業界は昇給が望みにくい業界です。

資格取得やスキルアップを通して収入を上げていくという手段が一般的ですが、どうしても他業界に比べて昇給が期待できません。

今は夫婦で年収約620万円だったとしても、今後のことを考えると安心できる数字ではないでしょう。


 出産・子育てで女性側は仕事ができない期間がある

共働きであるならば経済的に問題なくやっていくこともできるでしょう。

女性には出産というどうしても働けない期間があります。


出産・子育てをしている時は女性が仕事を休まなければいけない期間が存在します。

育児は男性も参加しなければならないものですが、世間的にはまだまだ女性が行う場合が多いようです。

介護士は身体介助など肉体労働の側面が多いので、妊娠しながらの仕事は非常に危険です。

妊娠すると介護士としては働きづらい面もあり、保育園に預ける年齢にならないと職場復帰ができにくいです。


女性が育児で介護の現場を離れている場合、男性の収入のみで当面の間は家計をやりくりしなければなりません。

平均年収が約310万円の介護士で家族を養っていけるでしょうか。

不可能ではないですが、生活するだけで精一杯になってしまうのはないでしょうか。

だから、その状況を予測した夫婦は男性介護士の寿退社という道を選択していくのではないでしょうか。


仕事を続ける男性介護士も多数

寿退社をする男性がいる一方で、介護士としての仕事を続けていく人も多くいます。

結婚をしても介護士を続けていく男性はこのような問題にどのように折り合いをつけているのでしょうか。

給料面で見たら、満足いく状態にはならないのかもしれませんが、それ以外の良い点についてまとめてみます。


残業が少ないため、家事・育児ができる

介護業界は介護報酬という限られた収入の中で施設の運営や職員の給与を出しているため、残業代の発生を経営者は嫌がります。

そのため、残業をさせない施設も多数存在しており、定時退社を求められます。


突発的な勤務変更がなければ、決まった時間に出勤し、決まった時間に退社できることも多いため、家事や育児においても予定が立てやすいです。

共働きの家庭であっても、料理・洗濯・掃除や保育園の迎え、子守などを行うことが可能です。


もちろん、施設により環境が違うため全てがそのように定時退社とはいかないかもしれませんが、一般的には残業なしで退社できる施設が多いです。

残業代が発生するならば、残業すると収入が増えるので、こちらは収入が低いという点からみると助けとなる場合が多いようです。


夫婦で同じ施設で働くと優遇してもらえる場合がある

男性の介護士の寿退社

 

 結婚しても夫婦で同じ施設で仕事をし続ける場合、様々な優遇してくれる場合があります。

介護士不足に悩む施設は少しでも多くの人材を確保したいと思うものですが、その一つの手段として出産を機に産休・育休していた介護士の職場復帰です。


育児が落ち着いたら、保育園に子どもを預け働くことが可能です。

ブランクがあっても介護経験があるため、利用者のことも施設の雰囲気のことも理解しています。施設としては願ってもない人材です。


その際に夜勤で働いていたとしても、保育園の迎えや育児を考慮し、女性は夜勤なしや日勤として働けるよう優遇される場合があります。

保育園の送り迎えに配慮した特別シフトを準備してくれる場合もあるため、女性にとっては非常に働きやすい職場になっている場合があります。


福祉業界は女性が多い業界ですので、出産や子育ての理解が得やすく、相談相手も多くいので急な子どもの体調不良などで保育園にお迎えに行かなければならないなどの突発的な出来事でも理解してもらえることが多いです。

このような理由から男性も介護士を続けても、夫婦共働きが成立するため、介護士を続けていけるというわけです。


やりがいのある介護士を続けたい

共働きなら介護士でも充分生活できますし、ブラックな施設でもない限り給料面以外の労働環境は割と整っているのが福祉業界だと思います。

そういった中でやはり介護業界を離れない男性は、介護の仕事に強い魅力を感じているからといえます。

福祉業界は人の役に立ちたいという人も多いようです。高齢者と触れ合う喜びは給料面では代えることはできない大きな喜びを与えてくれるのではないでしょうか。


まとめ

男性の寿退社というと、驚かれる方もいるかもしれませんが、福祉業界においては珍しいことではありません。

寿退社をする前に給料面での福祉業界の事情は分かっていたでしょうし、それまでに仕事面の悩みや腰痛といった介護の仕事を続けることに自信がなかった面もあると思います。


介護士を続けていくかを元々悩んでいる時に結婚をし、それを機に辞めていくという側面も強いと思います。

結婚をしても、介護士を続けていく人が多いので、給料面だけというより、個人的な事情や価値観の問題も退職の理由に関わってきているのではないでしょうか。